経済と政策

21世紀のグローバル化社会は、既存の理論や政策では解決困難な未知の諸課題を次々と私たちに投げかけています。地球環境問題、世界的な貧富の格差拡大など、どれを取っても”Thinkglobalyactlocaly”の取組み強化が求められています。この分野では、企業と行政、そして地域社会で、世界と日本が直面している諸問題の解決のための政策を創り出していく主体的能力の育成を目標としています。「経済と政策分野」は、(ア)世界と日本が直面する諸問題を、地球的視野でかつ歴史的に理解する能力の獲得、(イ)そのための基本的リテラシーとしての語学力、インターネットや情報機器を駆使した情報へのアクセスと処理能力の獲得、(ウ)知識を単なる抽象的知識に留めず、問題解決のための生きた知識とするために、現実問題に密着した政策形成能力の獲得、を通じて教育目標の達成を追求します。この分野が期待する学生像は、豊かな感性とヒューマニズムを持ち、世界と日本が21世紀に直面する様々な諸問題の解決に貢献したいと考えている学生諸君です。想定される進路は、国内外の民間企業、シンクタンク、コンサルタント、国家・地方公務員、そしてNPOやNGOなどの市民団体です。

エコノミーとモラルの再婚

遠山 弘徳 教授

(社会経済論)

2008 年、世界を震撼させた事件が発生しました。アメリカ金融システムを崩壊の瀬戸際にまで追い詰めた、投資銀行リーマン・ブラザースの破綻です。その後、ヨーロッパ金融市場に飛び火し、ギリシャの財政破綻にまで至った、グローバル化時代を絵に描いたような事件でした。
その後「犯人」探しが始まり、自己の利益をひたすら追い求めたウォール街の「強欲」が有力犯として浮上しました。「強欲」は問題でしょうか。ニューヨーク・タイムズ紙は、「強欲」を排除するのではなく、それを活かせ、という社説を掲載しています。「強欲」の排除は市場がもたらすメリットを損なう、むしろ、「強欲」に適切なインセンティブ(誘因)を与え、社会にとって望ましい目的に向けて誘導すればよい、という考え方です。「強欲」は社会を絶え間なく変化させ、発展させる推進力かもしれません。
経済学はもっともらしい人間として利己的人間(「強欲」な人間)を想定しています。そうした人間観をもとに経済の仕組みと働きを説明する市場理論を手にすることができました。しかし、「強欲」が問われ、経済学の始祖アダム・スミスが描いたようなモラルとエコノミーの結びつきが再発見されつつあります。
とはいえ、モラルとエコノミーの再婚は、実験経済学等、経済学の新たな展開が可能にした成果です。利己的行動とモラルをめぐっては多くの偉大な思想家—たとえば、アリストテレスやヒューム等—によって問われてきました。現代の経済学はようやく、そうした問題を社会科学として深めることができる理論と道具を手にしたのです。わたしたちは、みなさんに、そうした理論と道具を学び、偉大な思想家たちが問うてきた人間観と社会認識を再発見して欲しいと願っています。というのも、それは同時に、現代のグローバルな、大規模な人間行動の相互作用がもたらす問題—たとえば、伝染病やグローバルな経済危機—に答えることにも繋がるからです。

人生を豊かにする学び

藤井 魁人さん

2014年度卒業生
静岡県庁

在学中のゼミ活動、とりわけ共同研究発表では、身の回りで起きている問題を発見すること、問題に対して経済学的に根拠のある解決策を検討すること、そしてそれらを論理的に順序立てて他の人に説明することが求められました。そうした活動を通して身についた能力は、行動や結果に確かなエビデンス・論理性・公平性・透明性が求められる現在の仕事に活きています。
また、大学での生活は人生の幅を広げるチャンスです。今までの生活とは比べ物にならないほど多くの人・学び・情報が集う大学では、今まで出会ったことのないような人達と出会い、新たな学問に触れ、豊富な知識を得ることができます。それらはきっと、あなたの人生を豊かにしてくれるはずです。

人生のための有意義な時間

森野 円香さん

2011年度卒業生
株式会社スワノ商会

1年次にそれぞれの研究室の基礎となる知識を講義で学び、それを元に所属する研究室
を選択することができます。私は日本経済史ゼミに所属し、卒業論文では経済と戦争をテー
マに研究を進めていきました。友人たちの卒業後の進路は官公庁・一般企業・大学院と
多岐にわたり、ゼミ選びから卒業後の就職先まで自分の努力次第で可能性がひろがってい
く環境であると考えています。
学業以外でも大学内外で友人たちと過ごす時間が増えるので、一生涯の付き合いになるような友人と出会うこともできました。特に就職活動は友人たちと情報共有や励ましあうことで乗り越えることができたと思っています。これから入学されるみなさんの大学生活が、充実したものとなることを願っています。