理論と情報分野

理論と情報分野は、複雑な現代経済のさまざまな問題を論理的に考える理論的知識と、現実の統計データを用いた実証分析の能力を身につけ、行政や企業でこれからますます求められる「専門職」のための基礎的な力量を身につけることを目的にしています。
そのために本分野では、1年次のミクロ経済学I、マクロ経済学I、経済情報処理、経済数学を基礎に、2年次以降、ミクロ経済学II、マクロ経済学II、国際経済学、情報経済学といった理論系の専門科目と、統計学、経済統計学、計量経済学、社会計学、数量経済分析などの統計・情報関係の専門科目を体系的に学ぶ教育プログラムを用意しています。
卒業後の進路との関係では、一般の民間企業の他に、専門職のための幅広い基礎的知識と能力が求められる公務員、大学院進学、研究所や企業などの調査研究部門、各種専門職の資格試験(公務員試験と同様に、理論系科目を受験科目として含むケースが多い)を希望する学生のみなさんも支援できる特色をもっています。

大学で学ぶ経済原論と公務員試験

村田 慶 准教授

(マクロ経済学)

経済学では、個々の家計や企業の動きを分析するミクロ経済学、および一国全体における人・モノ・お金の動きを分析するマクロ経済学が基盤科目となっています。
経済学は、大学入学後に開始する学問の主役であるという特徴も持っており、「新しい概念を理解すること」、「その理解を確実にするための基本問題を反復練習すること」という二つの側面があります。大学における経済学の勉強では、どちらも同様に重要です。
近年、公務員志望の学生さんが非常に増えていますが、公務員試験も例外ではありません。公務員試験では、ミクロ経済学とマクロ経済学を合わせた経済原論と呼ばれる専門科目が出題数において大きな割合を占めています。
公務員試験対策としては、問題を解くことに重点を置くので、テクニックの習得がクローズアップされがちであり、その点では自学自習が効果的であると思われています。しかしながら、公務員試験を受験する学生さんは、「理解する」ということも同様に重要であるこ
とをよく知っています。この点において、大学の授業が果たす役割は大きく、学生さんも期待するところが大きいのではないかと思います。
また、公務員試験を離れて考えてみても、経済理論を学ぶことは思考力を高めることにつながり、これはあらゆる仕事においてプラスに働くでしょう。実際、「理屈を考えることが面白い」という声が学生さんからしばしば聞かれます。教える側としても、このような声に接するときには、学生さんの成長を実感でき、たいへん嬉しいものです。
大学入学後に新規に開始され、理論的思考を中心としながら、基本問題の反復練習をもおこなえるという要素が含まれる科目はそれほど多くはありません。
大学における経済原論の学びが公務員試験対策のみならず、皆さんの将来に向けて役立つことを切に願います。

「コンフォートゾーンを外れての学び」

舩村 紘史さん

2016年度卒業生
レディング大学大学院(イギリス)

私は所属していた国際経済学ゼミの活動の中で、多くの交友や新たな知識を得ました。ゼミ活動の一環として毎年実施する、東南アジアへのスタディーツアーでは、本やインターネットのみでは知りえない現地での生活を目の当たりにし、大いに知見を広げることが出来ました。静岡大学での様々な活動や経験を通じて、「異文化の人々ともっと交流したい。英語を使って将来働きたい。」という思いがより一層強まり、海外の大学院へと留学することを決意しました。
心理学の用語で「コンフォートゾーン」という言葉があります。これは心理的に「自分が楽で、落ち着く領域」のことを指します。授業面において大学は、高校に比べて自由度が高くなっており、時間の使い方も人それぞれになります。つい、コンフォートゾーンに収まりがちですが、大学生活での自由は貴重な機会でもあります。自身のコンフォートゾーンを抜け出し、新たなことに挑戦することは、自身の成長に繋がり、今後の社会生活でも役立つ原動力となるでしょう。静岡大学でのあらゆる機会を活かして、学ぶ姿勢こそが成長の鍵であると思います。

「私を育てたのは 大学の勉強」

吉﨑 一貴さん

2015年度卒業生
静岡県庁

私はミクロ経済学ゼミに所属し、そこで大切な仲間や恩師、先輩と出会い、かけがえのない時間を過ごしました。大学生活、そしてゼミでの専門的な学習をはじめとする経済学科での勉強が、私を大きく育ててくれました。
昨今大学の授業を疎かにし、予備校に依存する公務員志望の学生が多い中、自力で静岡県庁に合格出来たことも、4 年に亘る大学での学びの成果だと感じています。自ら考え行動する力を培い、根気強く学ぶ心を育むには、授業に真摯に臨み、知の源泉たる先生方から積極的に知識を得ようとする姿勢が何より重要です。勉強の原点は継続力にあるのです。
「孟母断機」という言葉通り、学業を半ばで諦めれば、それまでの努力は全て水の泡になります。だから時には仲間の力を借りても良い。困難に直面した時、力を貸してくれる仲間がいたから、私は学び続けられました。苦難を迎えてもなお学び続けようと昂るあなたの志こそ、あなたの原動力になるはずです。