学科長からのメッセージ

学科長 安藤研一

進化する経済学科

わたしたちの社会は常に変化しています。経済のグローバル化、情報化・高齢化社会の出現、中国、インドなどの新興工業国の勃興などがその例です。また、これらの変化に伴い地球環境問題、国際的な金融危機、食糧危機といった地球規模の問題も生じています。国内においても、巨大な財政赤字、ワーキングプア、枯渇する社会保障財源といった問題が発生しています。こうした変化や問題の多くは経済に起因するものです。あなたはこれらの問題に興味がありますか? これらの問題の原因と解決の方向性を学びたいと思いませんか? わたしたち経済学科は、これらの問題に立ち向かいたい、解決したいと願うあなたのために、経済学科の伝統的な教育体制を継承しつつ、新しい教育プログラムを準備しました。

新教育プログラムと多彩な教員

経済学科は約30名の教員スタッフから構成され、経済理論、統計、金融、財政、経済政策、経済史、会計、経営などの範囲をカバーしています。新教育プログラムでは、経済と情報分野、政策分野、経営分野の3分野に教員を所属させ、各分野で履修モデルを提供することにより、体系的な勉強ができるようにしました。
新教育プログラムは専門的な知識の教授にその目的を置いていますが、他方でわたしたちは専門的知識ばかりでなく、幅広い教養、生き生きとした感性も身に付けてほしいと願っています。各分野で提供される履修モデルに含まれる授業以外にも他の分野からも積極的に授業を受けることにより、異なった考え方や問題提起の仕方を学んで欲しいと思っています。イギリスの経済学者A.マーシャルは、1885年ケンブリッジ大学での教授就任講演で、「経済学者は冷静な頭脳と暖かい心を持たねばならない」と述べました。この「暖かい心」は、新教育プログラムの提供する幅広い視野と教養により涵養されることでしょう。

少人数教育による四年一貫教育

経済学科の伝統は、四年一貫制の少人数教育にあります。新入生は最初に新入生セミナー(約15名)、次に社会科学基礎ゼミナール(約20名)に所属し、指導教員のもとで大学での勉強の仕方、図書館の利用方法、レジメ・レポートの作成方法などの基礎的な知識、技術を学びます。2年生になると、それぞれの関心に合わせてゼミ(約10名)に属し、講義では学びきれない専門的な知識の習得、論文の作成、プレゼンテーションの仕方を学びます(あなたは自分の考えをみんなの前で誰もが納得できるように説明できますか?)。ゼミの所属は必修で、3年間(2、3、4年)に及びます。この長期のゼミ所属は他の大学にはみられないものです。ゼミ教育の最終目的は卒業論文で、あなたが4年間に何を学んだのかの集大成となります。

リーダーシップを鍛えるー学生成果研究発表会-

経済学科は年一度、学生成果研究発表会を開催しています。これは学生が教員および他の学生の前で自分たちが選んだテーマについて、ゼミ単位で研究成果を発表するものです。発表するには個性、感性や意見が違う10人のゼミ生を一つにまとめあげる必要があります。僅か10人のチームですが、ゼミ仲間に仕事を割り振り、研究の進度を調整し、成果を共同のものとするにはリーダーシップが必要です。学生成果研究発表会はこのリーダーシップを鍛えます。またこの発表会はチームとして一つの成果を上げるために討論・議論、相互理解、時には建設的な批判ということがいかに重要であるかをゼミ生に体得させることを目的としています。

経済学科に入学を希望する高校生の皆さんへ。

大学教育は専門的な知識、技術を習得する場所ですが、その最も重要な点は、「考え方を学ぶ」ということにあります。海を隔てた大陸の一金融機関の破綻が、あなたの生活になぜ、大きな影響を与えるのか?という素朴な疑問を抱くことから大学教育は出発します。この素朴な疑問を問題意識に高め、最後に、専門的な知識に裏付けられた解答へと導くことがわたしたち経済学科の教員が望むものです。わたしたちの授業は決して易しいものではありません。入学し、卒業するまでに相当の勉強量が必要となります。しかし、4年後あなたは、「わたしが大学で学んだことはこれです、この問題の原因と解決の方向性はこうです」と自信をもって言えることでしょう。わたしたち経済学科教員は枯れることのない感性と厳しい勉強に耐える精神力とをもった皆さんに入学してほしいと思います。