対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 17/68

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概要:
対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成多文化共生社会における臨床実践力と実証的研究能力の向上2.教育効果の検証■凡例こうした教育のなかで実際に倫理的・法的問題への対応力が身についたかを検証するため,(1)事例を与え,グループで行う討論とそのまとめについて別紙評価シートに基づいて評価した。また(2)研究倫理をテーマとした模擬倫理委員会を実施し,別紙チェックシートに基づいて評価した。(1)グループワークによる模擬事例検討会に基づく評価(対人援助の倫理と法)■概要学期終了前の2週にわたって2回,模擬事例検討会に基づく評価を行った。各回2事例,計4事例の検討を行った。模擬事例検討を行う学生に対しては,これが仮想の事例検討会であること,各自が自らの専門領域の専門職(例えば,スクールカウンセラー,看護師,介護福祉士,社会福祉士,教師,自治体職員など)として参加していることとし,検討会にて,事例提供者への質問や助言など,必要な発言を行うよう指示した。さらに,事例概要を記した配付資料の余白に,発言した際の視点(事例提供者や検討対象ケースの理解,法的・倫理的課題の所在)についてメモを行うように指示した。各回異なる教員スタッフが,以下に示したような設定に沿って,比較的経験の浅い事例提供者役を演じた。評価の偏りを回避する意味で,複数の教員スタッフが同時に参加し,参加者の発言等をモニターした。模擬検討会終了後,各参加者のメモの記された配付資料を回収した後,簡単な解説,質疑応答を含む,意見交換からなるデブリーフィングを行った。・は,想定のうち,参加者に事例概要として資料配付した部分#は,想定のうち,事例概要として事前には明らかにしない部分検討会で焦点が当てられた際には,その設定に沿って発表者役が演じる■ケース1の想定・家庭児童相談担当者(非常勤嘱託)からの検討事例が提示された・事例検討会議開催日201X年5月・中学3年生男子(5月時点)#家族構成は現段階では不明・スクールカウンセラーから連絡があり,要観察のケースと思われたので関わることになった#学校から親に連絡を試みるが返事がない(家庭の状況がつかめない。そのため,親へのアプローチを依頼された)・怠学傾向があり,授業時間に商店街を徘徊しているところを目撃されている・親は留守がちで,電話も通じない,訪問してもあえない#留守番に職名と名前を入れ連絡先を吹き込んだが返信がない・たまたま近隣に住んでいたので,町内の知人から情報提供を受けた小学生のころは活発で,特に大きな問題は見られなかったようである・両親共働きで帰宅も遅く,近隣とのつきあいは希薄だが,朝の挨拶は交わすこともあり,特段の印象はないようだ・児童委員からの情報は得られなかったが,継続して情報提供を求めている#虐待の可能性(ネグレクト)については,曖昧(情報不足)な状況(中学3年という設定で緊急性が明確ではない設定にしてある)#発表者自身は専門性の低さから,虐待の可能性(ネグレクト)についてはあまり気を配っていない#警察(少年育成課)とは連携している#警察から特に補導したという情報はない(夜間徘徊の事実は確認されていない)・発表者は体育の授業のある水曜日には登校するようなので,その際に,本人に対しては,スクールカウンセラーから働きかけてもらおうと思っている・問題は保護者へのアプローチで,来校を促すも,達成せず来所に向けてどのように働きかけるのがよいか検討してほしい・埒があかない場合には,児童相談所にお願いすることになるかも知れないが,できるだけ(負担をかけないためにも)こちらで出来ることをしていきたい15