対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 23/68

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成多文化共生社会における臨床実践力と実証的研究能力の向上◆静岡県立静岡がんセンターでの実習がん医療と緩和医療におけるコメディカルスタッフの役割について大学院学生に実地に理解する機会を提供するために,平成20~23年度に静岡がんセンターの見学実習を行った。静岡がんセンターは,静岡県内全域のがん医療を担う中核的な施設として,都道府県がん診療連携拠点病院に指定されているばかりでなく,全国でも中心的な施設として活動を展開している。がん患者や家族の不安や悩みなどに対応するために設けられた「よろず相談」は,全国の相談支援センターのモデルにもなっている。実習では,午後の半日をかけて,施設の見学とともにスタッフ数名から小講義を連続して受けた。施設の見学は,きれいに手入れされた庭園や,患者に配慮されたロビーや待合室,国内有数の陽子線治療施設,緩和ケア病棟などを,職員の説明を受けながら行っている。スタッフの小講義は下記の内容である。・緩和医療専門医から「緩和医療の変遷」・がん看護専門看護師から「緩和ケアグループの活動(外来・病棟・チーム)」・心理療法士から「心理療法士の活動」・医療ソーシャルワーカーから「よろず相談の活動」・チャイルド・ライフ・スペシャリストから「小児のケア(患児,患者の家族)」死を目の前にすることも多い厳しい活動でもあるが,多職種間で連携しながら患者と家族を支えている姿に,見学に参加した大学院学生たちはみな感銘を受けている。また,これから臨床心理士になろうとしている学生たちにとっては,臨床心理士としてのあり方を考えるよい機会となっている。もっぱらスタッフの皆さんのご厚意により実現できている見学実習であり,診療に忙しい中を時間を割いてくださっている先生方に感謝申し上げたい。静岡がんセンターでの実習(2)学外実習報告会(公開)による体験共有と地域機関とのさらなる連携学外実習における体験を共有するため,大学院生・教員,連携施設担当者を構成メンバーとする全体報告会を実施した(平成22年3月27日,平成23年5月13日)。実習を行った大学院生から施設の概要,実習内容,個別実習課題とその評価,次年度実習生へのメッセージなど多岐にわたる報告がなされた後,学外実習施設の指導担当者,専攻教員,専攻大学院生から活発な質疑が行われた。討議を通じて,チームアプローチを進める上での協働のあり方,専門性の発揮方法などがクローズアップされ,今後の職業アイデンティティに関わる共通テーマが焦点になった。また学外の指導担当者から実習内容・方法についてのコメントをいただき,本事業継続への貴重な助言を得るとともに,地域課題を共有し,地域と緊密な連携を進める必要性があらためて確認された。なお,本報告会は公開とし,静岡大学大学院の養成課程ならびに地域の専門機関に関心を持つ方の参加も受け入れ,開かれた評価を目指すものであった。21