対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

(3)学生の学外研修支援事業上述の実習授業のほかに,国内外で開催されるさまざまな研修会や研究会に学生が参加し,各分野の専門家や現場の専門職の話を直接うかがい,交流を深めることを奨励してきた。こうした研修会や実習授業の参加費用,研究発表の際の学会参加の費用を学外研修支援事業として行った。表1こころの相談室での相談件数新規来談件数年間相談件数のべ面接回数平成21年度13 35 456平成22年度14 39 386平成23年度(~24年1月)11 33 269(4)学内施設(静岡大学こころの相談室)における実習強化臨床実践力の向上では,実践経験の豊富な指導者の綿密なスーパービジョンを受けながらの実践現場での臨床研修を重ねることが重要となる。本学の施設であるこころの相談室(以下,相談室)は,地域住民の心理的な問題への支援を目的とした,地域貢献と教育研修を兼ねた施設である。相談室では主に5名の専任教員が大学院生への臨床指導に携わり,大学院生とともに管理・運営し相談活動を行っている。本プログラム導入後は,これまで以上に,より実践力を備えた臨床家の育成を目指して,相談室での心理臨床教育活動を見直し,改善に取り組んできた。相談業務の有料化にともなう教育効果の向上心理相談で提供されるサービスはなかなか目に見えにくいものであるが,業務有料化は金銭の授受を介することで,その専門性の提供を明確にし,大学院生にとって実践感覚を養う重要な役割を果たす。相談室では教育改善の取り組みの一つとして,平成22年9月から相談の有料化を実施した。有料化への移行期には,これまで無料であったサービスが有料化されることに多くの来談者の方が抵抗感をもたれるのではという懸念があった。しかし平成23年度の相談件数は平成22年度にくらべ微減にとどまっており,新規来談件数も例年並みの水準を維持している。これは,相談が有料化した後も,相談室が行う心理相談と臨床心理教育に対して一定の評価が得られたためと理解してもよいだろう(表1参照)。多様な臨床技法にもとづく実践力の強化―外部スーパーバイザーの招聘多様な実践的臨床技法の学習を強化するため,外部からスーパーバイザーの招聘を行った。これまでスーパービジョンの担当は5名の専任教員が行ってきたが,学生が充分な時間数のケース担当とスーパービジョンを受ける教育体制を維持する中で,専任教員の過重な負担という問題に適切な対策をとることができなかった。さらに,学生が幅広く多様なケースを,しかも,それぞれのケースに応じた専門性と経験とを充分にもった担当者にスーパービジョンを受けながら研修する体制を整えるには,専任教員のみでの指導体制には限界があった。そこで,豊かな経験と専門性を備えた臨床現場で活躍している2名の非常勤講師を追加し,幅広い多様な専門性と経験をもつ7名のスタッフによるスーパービジョンを行いうる体制を整えた。これにより,学生はこころの相談室で担当するさまざまなケース各々に,最適な専門性を擁する担当者のスーパービジョンを受けながら,臨床現場実習を行うことができるようになった。スーパーバイザーは,自ら開業しているカウンセリングルームを拠点に,様々な現場で臨床心理士として活躍している。本橋弘子先生は家族療法,湯野貴子先生は子どものプレイセラピーを専門としている。スーパービジョンを行うことはもちろん,適切な事例がある場合には心理相談を担当し,大学院生を陪席に入れることで,より実際的な面接のあり方を学ぶ機会を提供している。24