対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成多文化共生社会における臨床実践力と実証的研究能力の向上参加者の感想(アンケートより)・QOLはその人が「そうだ」と語っているもの。それを実践の中で実感しています。他者の判断ではなく,本人の主観・考えを知ることですね。その人の固有の世界を知る一方法と実感しました。・理論的に説明して下さり,“誤解”がわかりました。・「死の受容」について,「死」を受容するというイメージで話をする人が周囲におり,違和感を持っていたところだったので,「死に至る病とともに生きる自分を肯定する」という考え方を聞いて,納得することができました。・素晴らしい!患者本人に接近する一つの方法と実感しました。・わからない時には必ず相手にきくことが,相手の世界を大切にすることだと思いました。・体験してみてQOLの理解が進みました。・自分の,自分達のケアの評価に使えるなと思いました。・中島先生の言われた「面接を通し,患者側がナラティブに語り,満足される」ということは,その通りだなと感じています。・対話とそこからの抽出がとても難しく思われました。言葉を引き出す,それも自然に行うということは技術なのでしょうね。・検者(面接者)も被検者(回答者)も変化するということを体験し,検者の経験や技術を身につけることは容易でないという印象をもちました。・大変勉強になりました。現場で活用できるようになりたいので,さらに勉強したいと感じました。・実習でなければ理解できないことが多くあった。このような機会がまたあるとよい。平成21年度より,各コースで行われていた調査系科目を,専攻全体の基礎科目に位置づけた。同時に,より多くの訓練を必要とする質的調査の分析に関する実習科目「質的分析演習」を新設した。その結果,質的,量的調査について,十分な訓練を行うことが可能になった。カリキュラムは,表の通りである。まず,「量的調査演習」では,質問紙調査について,調査の設計,質問紙の作成から分析,報告書執筆までの過程を,実習形式で学んでいく。「計量分析演習」では,実際のデータを分析しながら,多変量解析の技法を習得する。また,「質的調査演習」では,ドキュメント分析,参与観察といった質的調査の方法を学び,実際に簡単な調査を体験する。さらに,「質的分析演習」では,病院,児童養護施設など実際の現場におけるインタビューデータを用いて,グラウンデッドセオリーに準じた手法で分析する実習を展開している。この授業では,当事者や現場の専門家をコメンテーターとして招いた公開の報告会において,分析結果を検討している(28頁の写真参照)。表調査系科目のカリキュラム科目名量的調査科目量的調査演習計量分析演習質的調査科目質的調査演習質的分析演習2.調査能力の強化実践的問題解決能力を高めるためには,その前提とて現場における問題を科学的に把握する社会調査の技法に習熟することが必要である。しかし,本専攻に入学する院生は,必ずしも学部段階で社会調査の訓練を受けていないことが多い。そこで,量的調査,質的調査の両面において十分な能力を身につけてもらうために,実習をともなう授業を専攻全体で展開することにした。そのため,こうした授業群の展開によって,入学以前にまったく調査関係の授業を受けていない学生も含め,一定程度の調査リテラシーを身につけることができるようになったと思われる。その結果,社会学,心理学系だけでなく,倫理学系の学生でも,自らの手で,何らかの質的,量的な調査を行い,その分析をもとに修士論文を執筆するようになっている。このように,社会調査の技法の習得をベースに,実証的な問題解決能力を身につけるという専攻の教育目標は,おおむね達成されている。ただし,学生の関係する現場は多様で,問題関心もかなり異なっているが,実習形式で授業を展開するため27