対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 33/68

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概要:
対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成多文化共生社会における臨床実践力と実証的研究能力の向上2.他の授業でも多文化共生社会の対人援助の課題に取り組む多文化共生社会への視点を涵養するために,共生社会学演習などの授業が展開された。・「共生社会学演習」では,欧米におけるグローバル化や移民をめぐる諸研究の理論・学説を中心に検討を行った。あわせて,それらを日本の事例にどのように適用・応用可能であるのかについて考察した。授業は,学生の国際学会での発表を支援する観点からも,英語で行った。英語文献を講読し,学生には英語での報告を求め,また必要に応じて,講師は英語を用いて学生に対して講義を行った。・「臨床人間科学特別演習」にVera Zambonelli氏(ハワイ大学)を招き,日系ブラジル人のコミュニティ形成について英語で講演していただいた(2010年7月7日)。そのなかでも,エスニック・コミュニティを形成する際に核となる自営業層に注目した。とりわけ,レストランを経営するブラジル人の企業家を対象に行ったインタビュー調査にもとづき,そうした場が,ブラジル人同士の出会いの場としてどのように機能しているか,他のエスニック・ビジネスが,移民コミュニティの形成にどのような役割を果たしているのかについて,受講学生とともに議論を行った。・「生命環境倫理学」では,日本の生命倫理学が米国のバイオエシックスに関する情報に偏重していることから,それとは傾向を異にする大陸欧州の生命倫理学の特徴を考察した。米国のバイオエシックスでは,個人主義の権利主張があまりにも強調され,自己決定の原則が圧倒的な重要性をもつことがある(レネー・フォックス『生命倫理をみつめて』)。これに対して,大陸欧州では,人間が傷つきやすく,「自由にして依存的存在」であることを見すえ,他者へのケアの文脈のなかで,連帯(solidarity)・共助を重視する。こうした文化比較への視点と,文化差を超える普遍的な価値についての考察し,多文化社会における対人援助の基本的な構えについて理解を深めた。・「臨床倫理学演習」では,多文化間ケアに関わる問題を現場で学ぶため,EPA(経済連携協定)に基づきインドネシアとフィリピンから看護師・介護福祉士候補者を受け入れている2施設(介護老人保健施設サンビューみしま,昭和病院)を訪問し,受け入れ担当者と候補者にインタヴューを行い,制度上の問題点や課題とともに,宗教・文化・生活習慣上を含む多文化間の倫理問題などについて知見を得ることができた。サンビューみしまで,フィリピンからの介護福祉士候補者と施設の担当者にヒアリング医療・福祉関係の日本語を学ぶ,インドネシアとフィリピンからの看護師・介護福祉士候補者(昭和病院の取組み,下関市)31