対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 34/68

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

・「障害学特論」,「臨床社会心理学演習」,「産育と家族論」,「質的調査演習」,「質的調査分析演習」,「対人支援の社会学」,「家族と社会福祉論」等:ジェンダーやセクシュアリティをはじめ,子育てや教育観,障碍や疾患とのつきあい方,職業観などについて,現代社会では,価値観と人の生のあり方の多様性への寛容さと感受性が求められている。いわゆる「健常」とされる生のあり方を健康の基準として支援を構築するのではなく,人々の価値観と生き方の多様性にセンシティヴに対応するためには,異文化という視点が有効である。たとえば,「障害学特論」では,障碍者の生き様をそれ独自の価値のある文化として捉える視点を,具体的な事例とともに学ぶ。「臨床社会心理学演習」では,援助要請傾向の文化差について考察し討論している。異文化というのは単に「外国」ということだけではなく,広く,多様性への寛容さという課題に接続している。本専攻では多くの授業のなかで,こうした観点から,幅広い人間理解を基盤に,多様性への理解力を身につける教育をめざしてきた。・教育学部の協力を得て,ポルトガル語の特別授業に学生が参加し,語学力を強化した。静岡県は,ブラジル人が多く居住する地域であり,ポルトガル語に習熟することは,ブラジル人を対象としたケアの現場に関わっていく際に,非常に重要な要素となるであろう。3.多文化共生臨床実習(臨床人間科学学外実習III)多文化共生社会における臨床的実践能力を身につけることを目標に,臨床人間科学学外実習IIIを平成22年度より開講している。実習は,外国からの移民が多く暮らす横浜市のいちょう団地を中心に活動している「多文化まちづくり工房」で行われた。ここで学生はインターンとして5日間にわたって集中的に同組織の活動に参加した。「多文化まちづくり工房」を運営する早川秀樹氏とグェンハー氏には,外部講師として事前に来学頂き,同組織の活動の概要と意義などについて学生に講義して頂いた。学生たちは実習先の地域社会の動向を事前に把握することができ,実習での学習効果を高めることができた。ご協力を頂いた両氏に厚く感謝申し上げたい。多文化まちづくり工房は,主に,成人を対象とする日本語教室,子ども向けの学習補習教室を中心に活動を展開している。あわせて,地域社会の他言語情報の翻訳サービスや地域社会の人々を対象とした生活相談事業などの対人援助サービスを,神奈川県からの委託事業としても実施している。実習に参加した学生たちは,主として,外国にルーツをもつ子どもたちの補習授業や,移民の大人を対象とした日本語教室に参加した。そうした関わりを通じて,団地に住む移民を対象としたケアをめぐる活動の現場にかかわることとなった。実習期間を,いちょう団地のお祭りがおこなわれる時期に設定し,多文化まちづくり工房という団体を超えて,広くいちょう団地という,移民が多く居住する地域社会ともかかわりや接点をもつことができた。・外国から移り住んできた移住者やその家族や子どもたちが,日本社会でどのような状況におかれているのか・かれらがどのようなケアのニードを有しているのか・具体的にどのような支援や対応が必要とされているのかなどを,現場での実習を通じて学ぶことができた。本科目は本プログラムのなかで,多文化共生の視点を学生たちに涵養するために,22年度に新設され,23年度も継続的に開講された。32