対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 35/68

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成多文化共生社会における臨床実践力と実証的研究能力の向上臨床人間科学学外実習Ⅲの報告神奈川県営いちょう団地での取り組みに参加して~多文化まちづくり工房の活動~ヒューマン・ケア学コース修士1年鈴川温子2011年9月から10月にかけ,神奈川県営いちょう団地で「多文化まちづくり工房」が運営する「夜の日本語学校」に参加させていただいた。この教室は外国につながる子供や大人などに対して,週に2回,日本語を学ぶ機会を提供するものである。夜のこの学校には,毎回15~30人ほどの大人や中学生が学び手として訪れ,これに対して,おおよそ同じだけの人数の社会人や学生の日本人ボランティアが先生役として参加している。今回私は「先生」の一人として,初めて日本語を教える立場に立たせていただいた。あるとき私の「生徒」となってくださったベトナム人女性とは,「しとしと」「ぽつぽつ」など雨に関する擬態語,「フォー(ベトナムの米麺)」「板ずり」などの料理・調理用語,ベトナムと日本の英語教育事情の違い,(女性の)中学生の娘さんのことや学校のこと,仕事のことなど,トピックを限定しない自由で楽しい会話を中心にやりとりをすることができ,非常に印象に残っている。実習では学校への参加だけでなく,工房の一員として団地まつりへも参加させていただいた。工房はこの祭りにベトナム料理の屋台を毎年出店するとのことで,私もその準備や調理を手伝うことになった。先日は「生徒」であった女性と一緒に焼いた鶏肉を串に刺しつつ,つまみ食いしながら作業した。こうした活動は一見「対人援助」とはみなされないかもしれない。しかしある時は学校で日本語学習を介して接し,ある時は一緒に作業することを楽しむ。このようにさまざまな機会を共にするからこそ,結果的に「人に対する援助」が自然なかたちで受け入れられていくのだろうと感じた。こうした感想は日本語学校,あるいはまつりのどちらかだけに参加しただけでは持つことは難しかっただろうと感じる。いちょう団地まつりで地域の人々と交流いちょう団地まつり多文化まちづくり工房で日本語教室の講師として参加まつりは団地の最大のイベントの一つであるらしく,まつりの2日間は団地内の住人が出店したベトナム料理や中国料理,団地婦人会や子ども会が出店した駄菓子やおでん屋などが団地内の「メインストリート」にぎっしりと並び,夜には立派な神輿が練り歩く。いちょう団地には「高齢者は日本人中心,若者は外国人中心」という居住者の特徴があるが,まつりの最中は敷地内の公園にさまざまな国につながる子供があふれ,大人はあちこちで輪になってまつりを楽しんでいる光景がみられた。33