対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 36/68

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概要:
対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

工房の活動には普段から外国につながる子どもやボランティアの若者が多く集まってくるが,このまつりでは彼らが率先してまつりの裏方や防犯啓発活動を行う姿があった。こうした活動は,工房が普段からさまざまな地域貢献を通じて,日常的に地域の理解を得て認知度を高めてきたことを象徴的に示すもののように思えた。今回の実習は「日本語が話せてもそれを教えることは非常に難しい」ことを常に感じさせる厳しい面もあったが,反面,たとえ最初は日本語を教える経験や知識がなかったとしても,より多くの日本人が外国とつながる人たちと接する場やともに活動するさまざまな機会を得られること,また何よりそうした機会を提供する「多文化まちづくり工房」のような存在があることが重要であると実感した。言葉はコミュニケーションの前提であり,多文化共生の基盤である。ここでのやり取りや会話などを通じて,移住者たちの置かれている状況を把握し,そこから,さまざまな外部機関の支援を動員して,具体的な対人援助が展開されていく。その意味で多文化共生の課題の基礎からその先を展望する上で,多くのことを学ぶことができた。4.多文化共生の課題に関する学生の研究成果本プログラムで多文化共生社会実現の課題に取り組むなかで,これを研究課題とする学生も現れた。・共生社会学コースの山﨑由実子(平成23年3月修了)はStrategies on appearance: Representation ofJapanese-Brazilian women in ethnic media (「外見」のストラテジー――エスニック・メディアにおける日系ブラジル人女性の表象)というテーマで修士論文を提出し,修士学位を認められた。その準備過程において,International Visual Sociology Associationという国際学会で,多文化におけるジェンダー問題について研究発表を行った。・共生社会学コースの張潔(平成24年3月修了)は,The perceived discrimination and social exclusion ofChinese immigrants in Japan(差別の知覚と日本に居住する中国人移民の社会的排除)というテーマで修士論文を提出し,修士学位を認められた。その準備過程において,国際学会International conference on Japanesestudies.(マニラ大学, 2012年1月27-28日)で. Theconference theme: Migration and creation ofmulti-cultural society of Japan: Workers, women andthe next generationという発表を行った。・ヒューマン・ケア学コースの天野ゆかり(平成24年3月修了)は,「EPAに基づく外国人介護福祉士受入れをめぐる教育的課題――静岡県における受入れ支援を通して見えるもの」というテーマで修士論文を提出し,修士学位を認められた。その準備過程において,日本介護福祉学会や日本生命倫理学会(62頁)でも発表した。この研究は現在進行中の,EPA(経済連携協定)に基づくインドネシアとフィリピンからの看護師・介護福祉士候補者受け入れ制度の諸問題を分析するとともに,候補者受け入れを積極的に支援する独自の施策を展開している静岡県の「ふじのくにEPAネットワーク」の取り組みを調査し,候補者の教育支援や政策について提言を行っている(35-38頁参照)。これは社会的にも注目され,2012年2月20日のNHKラジオ第1「私も一言!夕方ニュース」の「ニュースここ一番!」というコーナーで,「介護現場に外国人は定着するのか?」というテーマでインタヴューを受けた。34