対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 38/68

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

調査することは,今後のEPAにおける候補者受け入れの方向性に影響を及ぼすと考えられる。そこで,本研究では,全国の先進的受入れ施設や自治体の調査に加え,静岡県の取り組みと県内の受け入れ施設の調査を通し,候補者受入れの実態を明らかにするとともに,その教育的課題や,現場で求められている支援のあり方について提言することを目的とする。2.研究方法(1)研究期間平成20年9月~平成23年9月(2)研究方法及び対象者本研究では,先行研究やシンポジウム参加などによる情報収集をもとに,EPA候補者を積極的に受入れている施設や自治体の支援の実態を明らかにした上で,静岡県内の施設の受入れについて個別に調査した。1文献調査(全国的統計調査,政府発表資料等)2先進的取組機関調査(自治体担当者への電話によるインタビュー,先進的受入れ施設への訪問調査など)3静岡県内調査(自治体担当者へのインタビュー,静岡県内の受入れ施設による組織「ふじのくにEPAネットワーク」への会議・活動参加による情報収集,県内受入れ施設への訪問調査5施設)4静岡県受入れ施設教育担当者・候補者へのインタビュー(教育担当者5名,EPA候補者3名)各調査,研究との関係性については下記の図に示す。研究方法概念図???(3)倫理的配慮インタビュー対象者に対し,研究の趣旨,方法,個人情報の保護,インタビューの任意性等の倫理的配慮に関して明記したインタビュー趣旨説明書を本人および所属長に提示し,本人より同意書を得た。インタビューの内容は,ICレコーダーに録音し,逐語録に起こした。作成した逐語録を本人に確認してもらい,最終同意を書面にて確認した。なお,本研究は静岡大学の「ヒトを対象とした研究に関する倫理審査」において承認を得ている。3.結果と考察1候補者受入れの実態全国的にEPA候補者受入れは減少しているものの,法人単位,自治体単位では積極的に候補者を受入れているところがあるという特徴がみられた。積極的に候補者を受入れ,学習環境を整備している法人でも,法人単独の取り組みには限界があり,教育担当者は多大な負担を背負っていた。現在までに少しずつ国の支援も得られるようになったが,社会資源の乏しい地域などでは教育補助金があっても日本語や介護の講師に教育を依頼することは難しく,地域の実情にあった支援がなされていない。一方,受入れ先進地でもある東京都,横浜市,静岡県は自治体独自の支援をしていた。このような自治体の特徴は,いずれも定住外国人が多くいること,介護人材の確保が困難になっていること,県民所得や財政力が高いということである。具体的支援の内容は,教育や受入れ費用に対する助成,候補者の給料補助,専門講師の派遣,マニュアルやテキストの作成など,自治体の財源や社会資源に応じた支援策がとられていた。現時点では,自治体の支援を受けている地域はごくわずかで,自治体にもその責務がないため,積極的な支援を受けられる地域と,まったく受けられない地域とで全国的に格差がみられた。2静岡県内の取り組み静岡県の2010年末での外国人登録者数は86,333人となっている。国籍別ではブラジルが最も多く37.220人で全体の4割以上を占めている。都市別にみると,浜松市(26,934人),静岡市(8,409人),磐田市(7,513人)の順となっている。総人口に占める割合では,菊川市が7.2%と最も多く,次いで湖西市(4.47%),袋井市(4.13%)と高い水準を示している。このように多くの登録外国人が居住する静岡県では,県内の外国人介護労働者の就労実態を調査するため,2009年より県内の介護保険施設,事業所(居宅介護支援事業所を除く)に対し,メール配信システムを活用しアンケート調査を実施ししている。平成21年度では,45施設,82人の外国人介護職員が就労していたが,平成22年度では80施設,131人と60%の増加がみられた。就労場所は,特別養護老人ホーム,介護老人保健施設,介護療養型医療施設といった大型の施設だけでなく,訪36