対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

対人援助職の倫理的・法的対応力の育成 page 66/68

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対人援助職の倫理的・法的対応力の育成

3まとめと今後の取り組み対人援助専門職として必要不可欠な倫理的・法的対応力については,総合講義を中心に,現場に直結する現状認識と幅広い人間理解の上に,具体的な事例での倫理的・法的観点からの熟慮判断をトレーニングする形が定着してきたと言える。今後は学内の予算的措置を講じて,現場の専門家の招聘講義を一定数開講できるようにし,法学系教員の支援も受けて,教育の実質化を継続的に進めていかなければならない。その教育効果の検証では,検討を重ねた上で,23年度に初めて模擬検討会や模擬倫理委員会のロールプレーを評価シートに基づいて評価する方式を導入した。この評価法を練り上げ,教育成果をより的確に評価できる方式に彫琢していかなければならない。倫理的な熟慮判断は一朝一夕に身につくものではなく,継続的な研修が欠かせない。今後は修了生とのつながりをいっそう密にして,対人援助職の生涯研修の機会を増やし,この面での社会的貢献にも努めたい。学内外の実習を重視して臨床実践力を身につける教育では,プログラム期間中に新しい実習先を開拓し,施設の協力を得て,充実した実習を展開できた。実習を施設に丸投げしたり,やりっぱなしにしたりするのではなく,実習報告会を開催して,施設側からもコメントを頂くなど丁寧な対応を行ってきた。こうした努力によって協力関係を維持しつつ,事前・事後の学習をいっそう充実させて,実習の成果を高めていく必要がある。調査能力を身につける教育では,調査関連科目を充実させ,かつ,定着させることができた。学生たちにもこうした能力の必要性が認識されて,ほとんどの修士論文が,独自の調査に基づく研究のスタイルとなった。今後は,社会調査の分野等で活躍できる人材をより多く社会に送り出していくことが期待される。多文化共生の課題は本専攻にとって新たな挑戦であったが,新しい実習科目の設置や総合講義や他の個別授業での意識的な取り組みによって,学生たちに対人援助における文化問題への感覚がある程度身についたと言える。このテーマは,今後ますます重要性を増すと思われる。「対人援助の開国」という大きな課題を見すえ,専攻の教育内容の重要な柱として引き続き取り組んでいきたい。本プログラムの実施期間はまもなく終了するが,今後は学内の財政的支援を受けて,大学院教育の実質化に向けた取り組みを継続していく。また24年度に全体的な外部評価を受ける予定であるが,その評価を受けとめて,さらに組織的な改善に取り組んでいく所存である。64