募集を終了した講座

在宅医療・介護のこれからを考える~充実したネットワーク作りを目指して~

静岡大学公開講座パンフレット(PDF)

趣旨

医療構造改革によって「病院(施設)から在宅へ」が国の政策の中心となり、在宅で療養する患者数は今後さらに増加することが予想されます。また、在宅患者は同時に介護を受けていることも多く、医療と介護の連携も重要な課題です。病院(施設)とは異なる環境にある在宅では、ケアをする側の思いと、受ける利用者側の思いにずれが生じ、対処に困る事例がしばしば生じます。そのようなときに、どのような対応が必要とされるのでしょうか。この講座では、様々な専門家の立場から、現在の問題点と解決に向けたヒントを提示してもらいます。

日程

2012年5月22日(火)・29日(火)・6月5日(火)・12日(火)・19日(火)・26日(火)[全6回]18:30~20:30

場所

アイセル21(静岡市葵生涯学習センター)
静岡市葵区東草深町3-18

対象

医療関係者、一般市民

定員

40名

受講料

1,800円(6回通し)

申込先

以下のいずれかによりお申し込みください(先着順)。
FAX 054-221-1758
往復葉書 〒420-8602 静岡市葵区追手町5-1
    静岡市生涯学習推進課 宛
※「静岡大学公開講座希望」と明記の上、氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号、年齢をご記入ください。

申込期限

締め切りました。

問合せ先

静岡市生涯学習推進課 ☎054-221-1207

主催

静岡大学人文社会科学研究科臨床人間科学専攻

共催

静岡市生涯学習推進課、NPO法人ヒューマン・ケア支援機構

後援

静岡県教育委員会

スケジュール

5月22日

訪問看護における、他職種との連携~在宅療養を支えるための現状と課題~/ 講師:医療法人社団静岡健生会訪問看護ステーションふれあい所長・大村早苗(看護・介護)
訪問看護に関しては、必ずしもその具体的な内容が十分に知られていません。そこでまず、訪問看護とは何なのか、訪問看護を受けられる人はどんな人何かなどを説明します。その上で、在宅療養を継続していくために必要な連携――家族等のインフォーマルな社会資源との連携、保健・医療・福祉における他職種といったフォーマルな社会資源との連携――について紹介します。最後に、4月の医療・介護報酬改定において、こうした連携がどのように評価されているのか、また、新たなサービスの展開や介護職との連携強化におけるメリット・デメリットを考えて行きたいと思います。

5月29日

地域包括ケアの現状と課題~人生後期の地域生活のあり方をめぐって~/講師:社会福祉法人美芳会理事・大塚芳子(高齢者福祉)
今の日本では、少子高齢化による高齢者の独居世帯や夫婦のみの世帯の増加、女性の社会進出などによる家庭内役割の変化、ネット社会の進展、近所づきあいの減少などが進み、地域では人々が孤立化しやすい状況にあります。単身の若年においても社会から孤立する者も急激に増加しています。
このような地域社会においては、特に高齢者や障害者は生活上の問題を抱えやすく、単に介護サービスや福祉サービスを利用するだけでは「生活のしづらさ」を解消することは困難です。地域社会での人々相互の日常的な関わり、つまり地域で支え合う体制が必要となります。このような中、国は中学校区程度を単位とした生活圏域での『地域包括ケア体制』を構想しています。
今地域ではどのようなことが起きているのか、『地域包括ケア体制』とはどのようなものか、地域包括支援センターはどのような活動を担っていくのか、一緒に考えていきたいと思います。

6月5日

在宅医療・介護と成年後見制度~医療行為における「同意」の意味を考える~/講師:静岡大学法科大学院教授・宮下修一(民法)
在宅医療を受ける患者は、判断能力が低下し、家族の助力なしに生活をすることができない場合が少なくありません。このような場合に 備えて、民法では「成年後見制度」が用意されています。しかし、成年後見人などには「財産管理権」は与えられているものの、医師が示した 患者の治療方針に同意するために必要な「身上監護権」までは与えられていません。しかし、実際に成年被後見人(成年後見を受ける者) 等にとっては、「財産管理」も重要ではありますが、「身上監護」も必要不可欠といえるでしょう。そこで、今回の講座では、成年後見制度を 中心に、在宅医療・介護にかかわる法的問題を、参加されるみなさんとともに考えてみたいと思います。

6月12日

在宅におけるリハビリテーションの諸問題~在宅生活を支援するリハビリテーションを考える~/講師:浜松大学保健医療学部准教授・青田安史(理学療法)
近年の医療制度改革や保険診療報酬の改定により、在宅ケアにおける移行が早期化傾向となっています。そのことは、リハビリテーション関連において様々な諸問題を浮き彫りにしています。今回はその中から医療施設等と在宅(訪問)で行なわれるリハビリテーションの違いにより生じる諸問題を治療者側の視点から提示してみたいと思います。そして、聴衆の方々と、患者さんのQOLを向上させる在宅生活の継続には何が必要かを考えていきたいと思います。

6月19日

在宅医療・介護をどう支えるか~倫理と法の観点から~/講師:人文社会科学研究科教授・松田 純(生命倫理学)
介護保険が始まってから12年目を迎えました。利用者は増加し、わが国においても、介護の社会化が定着してきたと言えます。背景には、医療から介護への移動によって医療費を削減したいという国の財政的動機もありましたが、それは同時に、医療と介護との接続・連携の必要性も高めました。
いまや病院から在宅へは大きな流れとなりました。在宅で最期を迎えるためには、それを支える医療・介護態勢がなによりも必要ですが、同時に、そこで生じると思われるさまざまな倫理的・法的問題への対応も重要です。患者や患者家族や医療者がともに納得できる最期が理想ですが、そのためにはどのような意思決定のプロセスが必要でしょうか? 「尊厳死法案」の上程も予定されているなかで、医療・介護のあり方をめぐるコミュニケーションと患者の事前指示について考えてみたいと思います。

6月26日

家族関係と高齢者介護のゆくえ/講師:人文社会科学研究科教授・南山浩二(社会学)
戦後の社会福祉制度の展開のなかで、家族は、常に、介護をめぐる第一義的な役割を期待されてきたといえます。しかし、介護の特徴や内実、家族の多様化・個人化といった状況を考えた場合、介護は家族が担うべきものと当然視することはできない現実があります。今回は、まず、今日の家族関係や介護の実情について検討を加えながら、現代家族が直面している課題を整理したいと思います。そして、そのことをふまえつつ、介護に直面するなかで高齢者はもとより家族の生活・人生が逼迫してしまい、両者の関係がストレスに満ちたものとなってしまうことを回避するための、ケアの受け手・ケア提供者双方を支える仕組みの必要性について考えていきます。