歴史学コースの教育

現代と過去との対話

生の史料から歴史を読み解く

歴史学は、現代の日本や世界の諸問題を、過去との対話を通じて見つめなおし、また過去から現代のあり方を問うものです。現代では世界の一体化が益々進んでおり、幅広い視野と各分野に関する専門知識の習得が求められています。歴史学コースでは2年次まで歴史上の諸問題について幅広く学び、3・4年次以降は教育分野として、日本史、世界史、考古学を置き、専門と総合を合わせた教育が行われます。近年では従来からの政治史、社会経済史などと共に、環境、福祉、家族など多様なテーマが歴史学の対象として検討されています。
「歴史を学ぶ」ということは、解釈された歴史を覚えることのみではなく、人類が文字や絵画、伝承、物質文化として遺した営みに直接触れ、体で感じ、考えることだと思います。したがって、歴史学コースでは、授業を通して、生の資料から歴史を読み解く「実証」の基礎学力を養うことやフィールドワークを重視しています。
こうしたたくさんの実体験の中で自由に自分のテーマを見つけだし、学生生活の集大成として卒業論文を書き上げるというのが、歴史学コースの学生生活です。あなたも、生の史料との直接の対話法を身につけ、歴史を体で感じてみませんか。
なお、歴史学コースの活動の詳細については、下記のホームページに掲載してありますので、ぜひご覧ください。 http://www.hss.shizuoka.ac.jp/shakai/history/

 

遥かなる過去の世界をそっとのぞき込む

貴田 潔准教授

(日本中世史)

私たちが生きる現在を1つの世界とすれば、確かにかつて存在し、そして失われた過去はもう1つの異なる世界と捉えることもできるかもしれません。この2つの世界をつなぐ通路は、私たちの身の回りでも入り口をひっそりと開いています。
さて、歴史学という学問では実証的な方法で過去に生きた人々の姿を現代に映し出しています。例えば、政治や経済だけでなく、宗教やジェンダー、さらには医療と福祉、都市や村落の景観、食文化といったさまざまなテーマが歴史学のなかで扱われます。これらの歴史は多くは21世紀の諸問題にも影を落としています。
歴史学コースの場合、文字として記された文献史料を読み解くことや、モノとしての考古資料を扱うことを、文献史学(日本史・世界史)と考古学の手法として学ぶことになります。
私たちの存在は必ずどこかで過去へつながっています。これらの実証的な手法で歴史を研究するということは、井戸枠から水面をのぞき込むことに似ているかもしれません。そこに映り込むのは輪郭を持った過去の世界ですが、どこか21世紀の私たち自身が投影されているようにも感じるでしょう。

27学生写真

 

静大での学びを伝える毎日 大学・大学院から教員へ

樋田 友直さん

2011年度卒業生
岐阜県立東濃フロンティア高等学校教員

日本史を学びたいという思いで静大に入学しましたが、卒業時には世界史も含めた歴史学全体の面白さに引き込まれていました。というのも、歴史学コースでは複数のゼミに参加することが出来、熱心な先生の指導や異なる知見を持つ仲間との交流を通じて、新たな知的刺激を得る機会が多いからです。もちろん、専門分野についても深く追究が出来ます。私の所属した日本史分野では古文書実習を通じて、史料から歴史を組み立てるという歴史学の基礎基本的な方法を学ぶことが出来ました。また、学外の方が参加する研究会が定期的に開催されており、自らの研究を問い直す貴重な機会として活用していました。現在、私は岐阜県の高校で地歴科教員として歴史を教えていますが、授業で必要な専門的な知識や幅広い視野は、大学・大学院時代に学ばせてもらったものばかりです。これも歴史学全体を深く追究できる静大の学びの場があったからだと強く実感しています。