【卒業生】園部真由美さん(大学院人文社会科学研究科経済専攻修了)

三人のお子さんを育てながら学部・大学院で六年間学んだ。二〇二一年度からは教育関係の仕事へ。

子育て中でも、学ぶ喜びはあきらめない

 静岡大学とは、地域活動をするうちに縁ができました。帰国後、男女共同参画や防災、投票率向上や審議会委員などに取り組んでいたのですが、特にジェンダー平等について浸透しないことに悩みました。そこで県女性政策塾講師だった日詰先生に相談すると「大学で学んでみては?」と。反射的に「無理!」と思ったのですが、苦手な法律や政治、犯罪から客観的に社会構造を捉えたいと決心しました。

 まず三年次編入で法学科に入学しました。出産もあり、家族や保育支援、長期履修制度に支えられ四年かけ卒業しました。当初は就職予定でしたが、年齢や非正規の壁に加え、就活時のジェンダー課題がきっかけで、さらに学びを深めたく大学院に進学しました。行財政の川瀬ゼミに所属し、修論ではなぜジェンダー格差が教育で是正されないのかという観点で教育財政について執筆しました。

 静大では専攻間や防災マイスター制度などの横断的履修、学務や就活などの支援機能も充実しています。懐の深い先生方と多彩な学問のゆりかごの中で、人間とは何かを考え、語らい、私自身の立場も客観視できました。大学での学びは新しい風を自分の中に取り込むことだと思います。様々な風を受け社会構造が見えてくると、課題への対処法も見えてくる。私はそれが本当に嬉しかったです。これからは教育現場で、若い世代に学びの森からの贈り物を届けます。

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