教員紹介

【歴史・文化論コース】

池田恵子 教授
東海地域の自然と文化
人文地理学演習I・II
バングラデシュを主な対象として、南アジア諸国の開発の進展に伴う社会の変容について研究しています。現在の研究テーマは、農村住民の災害対応の変化、地域の災害リスク削減事業への貧困層や女性の参加などです。近年は、日本の地域の防災体制へのジェンダー多様性の視点の導入などにも興味を持っています。
大野旭(楊海英) 教授
博士(文学)
北・中央アジアにおける開発と文化変容
社会主義圏における民族誌論演習I・II
北・中央アジアにおけるモンゴル語系諸民族の遊牧制度、イスラーム化と民族集団の形成、国家による定住政策等についての歴史人類学的研究。最近の業績は、『オルドス・モンゴル族オーノス氏の写本コレクション』(国立民族学博物館、2002年)、『チンギス・ハーン祭祀-試みとしての歴史人類学的再構成』(風響社、2004)、『モンゴルとイスラーム的中国』(風響社、2007)、『モンゴル草原の文人たち-手写本が語る民族誌』(平凡社、2005)、『墓標なき草原-内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店、2009、第十四回司馬遼太郎賞受賞)など。
斎藤真希 准教授
博士(人文科学)
宗教と倫理
宗教・哲学演習Ⅰ・Ⅱ
日本の仏教思想について研究しています。そのなかでも特に、法然や親鸞をはじめとする中世の浄土思想に関心を持っています。浄土思想とは仏教の一系統で、阿弥陀仏という超人的な仏の救済を求めるという特徴を持っています。その救済は人間の死後、阿弥陀仏の清浄な国土に往生するという形で実現すると考えられてきました。浄土思想には、有限な人間と人間の生を支える究極的な根拠との関係が、人間と阿弥陀仏の関係という形で様々に表現されています。このような浄土思想の研究を通じて、日本思想の中で人間の生のあり方がどのように捉えられてきたのかという問題を考えています。
篠原和大 教授
弥生時代の文化と社会
先史文化論演習I・II
考古学はモノ(物質文化)を分析して、様々な考察を行い結論を導き出していく学問である。考古学で「型式」というような術語であらわされる物質文化のまとまりが生じる要因は、人間集団の社会的な制約に関係していると考えられる。「弥生土器のような社会集団によって普遍的に用いられた物質文化にみられる規格性の変動と環濠集落などに象徴される社会集団の存在形態がどのように関係しているか」などが最近の研究テーマである。
鈴木実佳 教授
Ph.D.
女性と生命
女性と生命文化演習I・II
18世紀のイギリスは、現代の私たちの世界の起点であると歴史家が言うように、今の世界への視点も与えてくれる。学際的研究が進んでいて、面白みに満ちている研究分野でもある。その18世紀が残した文学や諸資料を手がかりに、慈善・出産・養育や文化的パトロネッジの場でケアを与える側と受ける側の関係を研究している。授業では、母子関係、助産婦の役割、慈善活動など、主に女性の活動領域をとりあげる。
貴田 潔 准教授
博士(比較社会文化)
日本中世の環境と文化
日本中世社会史演習
日本中世史のなかでも地域社会論を専門としています。特に現在は景観論の視点から荘園・村落史の研究に取り組んでいます。また、文献資料の読解とともに現地調査の成果にもとづき前近代の村落景観を復原するフィールドワークの方法論を模索しています。
田中伸司 教授
博士 (文学)
生と倫理
生命文化基礎演習I・II
ソクラテス的対話と呼ばれる探究の構造についての考察を始点として、プラトン哲学の展開を研究しています。この数年間はフィリアー(友愛)と規範との関係について、とくにプラトンが「じぶんと友であること」を正義の核においたことの意味を、古代地中海世界という広がりのなかで検討しています。
戸部 健 教授
博士(史学)
近現代中国の社会と文化
中国近現代史演習I・II
中国近代史、特に都市の社会史について研究しています。テーマは、大きく分けて以下の2つです。①教育と社会の関係:19世紀後半以降、中国でも近代教育の導入が始まりますが、そのことが中国社会に良い意味でも悪い意味でもどのような影響を与えたのか。貧しい人々に対する教育や就学督促などのあり方に焦点を当てて研究しています。②医療と社会の関係:19世紀以降の東アジアにおける伝染病の流行や西洋近代医学の導入が中国社会にどのような影響を与えたのか。伝統医学や民衆文化の立場から検討しています。
長沼さやか 准教授
博士(文学)
東アジア地域社会論
東アジア地域社会論演習I・II
中国南部の広東省珠江デルタで、古くから村落に定住し、大規模な親族集団・宗族を形成している漢族と、船などに住み家族単位で移動生活をしていた水上居民との集団間関係に注目し、漢族という巨大な民族集団について考察することを主な研究課題としている。フィールドワークでは、1950年代以降に水上居民が定住した村落で、年中行事や先祖祭祀などの儀礼を参与観察し、宗族村落との比較考察を行っている。最近では宗教を規制する共産党政権のもとで、人々が祖先祭祀などの宗教的な営みをどのように行っているのか、というテーマでも調査を行っている。
藤井真生 教授
博士(文学)
中世チェコの国家と社会
中世チェコ史演習I・II
中世ヨーロッパにおける民族や国家とは何か、それらはどのようにして形成されたのかを研究しています。おもな研究対象地域は東中欧のチェコですが、隣接するドイツやポーランド、ハンガリーなども視野に入れて分析しています。現在の関心は、①チェコを中心とする東中欧地域へのドイツ人植民運動の浸透により、現地社会はどのような変化をこうむったのか、②14世紀ルクセンブルク朝期の「チェコ人意識」とはどのようなものか、にあります。また今後は、同じく14世紀ルクセンブルク朝期の国王宮廷の構成や、宮廷儀式の整備過程についても検討していきたいと考えています。
松本 和明 准教授
博士(歴史学)
日本近世の法と社会
日本近世史演習
日本近世史における寺社支配の研究を行っています。各地の寺社領(朱印地)をフィールドとして、①寺社領主としての寺社、という視点から、支配の仕組み・あり方や寺社を核とした地域社会の実態について分析を行い、近世における領主としての普遍性と、寺社領主としての特殊性の究明を試みています。また、②①のような寺社も含め、寺社に対して幕府・藩がどのような支配を行っていたのか、という、幕藩領主による寺社支配の視点から、近世における支配の特質を明らかにしようとしています。
山岡拓也 教授
博士(史学)
旧石器時代の文化と社会
先史文化論演習I・II
これまで、主に、旧石器時代を対象に研究を行ってきました。旧石器時代の中でも、特に、後期旧石器時代初頭という時期に興味を持って研究に取り組んでいます。それは今からおよそ4万年前にあたり、アフリカ大陸で誕生していた我々の直接の祖先である解剖学的現代人(新人)が世界中へと拡散した時期として知られています。その一部は、アフリカ大陸から遠く離れた日本列島にも到達していました。残された物資資料を手がかりとして、日本列島に最初に定着した解剖学的現代人が、どの程度の技術的な能力を持っていたのか研究しています。解剖学的現代人の出現と拡散に関する研究は世界各地で進められており、その中で、日本列島での研究成果が持つ意味についても考えています。
山本達也 准教授
博士(人間・環境学)
多文化社会論
多文化社会論演習I・II
インドやネパールに暮らすチベット難民、特に若年層のチベット難民の活動について調査している。彼らを難民たらしめる国際政治と日常生活の重なりあい、またそこに芽生える人々の想像力に着目し、ナショナリズムだけに回収されない他者共生のあり方を考察することを研究課題としている。具体的には、伝統芸能やポピュラー音楽など、ポピュラー・カルチャーと分類される若者たちの実践や、難民を取りまく権利や制度からなる法秩序に着目することで、ともすれば国際政治とナショナリズムの視点から語られがちな難民社会のダイナミズムを若者たちの活動から捉えることを目指している。

【言語文化論コース】

大友正広 准教授
現代ドイツ文学研究
ドイツ小説論演習I.II
ドイツ語地域文化演習II
関心領域としては、近現代ヨーロッパの文学と思想、特にモダニズム以降の著作家たちの仕事、および映画なども含めた現代芸術に惹かれてきました。主な研究対象としているのは、二十世紀前半に活動し文学・芸術・言語に関する仕事を残した批評家ベンヤミンです。授業においては、主として近現代の独語圏の作家(批評家や思想家も含む)の仕事を、ヨーロッパ文化の展開という文脈から取り上げていき、その思考と叙述のありかたを具体的に探っていきたいと考えています。
大薗正彦 教授
現代ドイツ語文法論・意味論研究
現代ドイツ語学演習Ⅰ・Ⅱ
現代ドイツ語を対象として、ドイツ語とはどのような言語なのか、他の言語とどう似ていてどう異なっているのか、そしてそれはなぜなのか、ということに関心を持って研究を行っています。言語から見えてくる人間の認知や文化のあり方にも思いを馳せつつ、同時に研究成果の教育への応用も重要であると考えています。
大原志麻 教授
Ph.D. (古代・中世史)
スペイン文化研究
ヨーロッパ比較文化史演習I
西洋中世史、特にスペイン・カスティーリャ王国の政治文化が専門です。政治と文化の相関関係を、抗争を軸に、インフォーマルなものがどのような力を持ったのかという視点から研究しています。授業ではどのような政治・社会・経済的背景が文化的表象として映し出されているのかを、様々な地域や時代の比較を基層に考察していきます。
大村光弘 教授
生成統語論
現代英語学演習I.II
「他の動物と異なり、なぜ人間だけが言語を使いこなす能力(すなわち言語能力)を持つのか?」という問いは、Noam Chomsky以来現代言語学(とりわけ、生成文法研究)の解明すべき中心的課題の一つとなっている。この問いに答えるために、統語的接近法(人間が句や文の構造に対して持っている言語直観を手がかりに、言語能力の解明を試みる)と意味的接近法(人間が言語表現の意味に対して持っている言語直観を手がかりに、言語能力の解明を試みる)を実践している。
勝山幸人 教授
日本語学基礎論
日本語史学演習I.II
専攻は日本語文法の歴史的な研究、特に各時代の各種文献に現れる「敬語」を文字の活用や語彙の位相とあわせ文体の構成要素として問題にしています。最近では大学院生の需要に応えて、日本語教育と語用論の観点からポライトネス全般を扱っています。他に、現代日本語の構造・日本語文法論、音韻史などもフィールドにしています。
久木田直江 教授
Ph.D.(英文学)
中世ヨーロッパ文化研究
中世英文学・図像学演習I.II
宗教改革やルネッサンスに揺さぶられた中世後期に、ヨーロッパ各地に宗教的情熱に突き動かされた女性たちが輩出した。彼女たちは神秘的な体験を著作にしたり、筆記者に書きとめさせたが、神秘主義思想の持つカリスマ性を、権威や階級制度を打ち砕くことではなく内面に向け、自己の解放を通して信仰を深めた。私はイギリスの神秘主義思想家、マージェリー・ケンプを研究してきた。今後も広くヨーロッパ社会に目を向け、神秘主義思想が社会や宗教・芸術の分野でいかなる役目を果たしたかを勉強したいと思っている。
熊谷滋子 教授
言語と性
社会言語学演習I.II
社会と言語の関係をジェンダーという視点からみつめ、言語研究のあり方、あるいは言語のあり方について、考え直したいと思います。私は、自分自身の問題として、言語と社会の関わりを見つめ、ジェンダーを含む、社会的少数者、弱者が、新しい「言語」を創りだせるような基盤を見いだす契機を考えようと思います。また、マスメディアにおける言語表現についても批判的に分析しています。
桑島道夫 教授
中国近現代文芸思潮研究
中国近現代文学演習I.II
「創造社」を中心とする中国近代文学思潮研究、中国現代文学の作品の翻訳、日中比較文学。
小二田誠二 教授
日本近世言語文化研究
日本近世メディア演習I.II
専攻は日本近世文学ですが、扱う教材は、一般的な文学史に登場するような作者・作品ばかりでなく、むしろ、歴史・風俗資料が中心です。江戸時代を中心に、口承・書写・出版といったメディアの変化や、商業資本の発達が、歴史記述や文芸のあり方とどのように関わるか、ということについて考えています。こうした問題は、江戸を論じつつ現代につながってくるので、現代のメディアにも関心を持っています。
張 盛開 教授
博士(学術)
中国語学基礎論
中国史学演習I.II
専攻は中国語学、主な研究主題は漢語方言の記述及び類型的研究です。方言を使った伝承文芸の採集、保存などにも力を入れております。目下最大の関心は標準語やメディアの普及によって消えゆく漢語方言の記述やそのデータの保存をいかに加速できるかということです。
Steve Redford(スティーヴ・レッドフォード)教授
アメリカ文学研究
アメリカ近現代小説演習I.II
アメリカ小説の研究をしている。特に、文学作品中でindividualismやアメリカン・ドリーム等の文化的特徴がどのように描かれているかという点に関心を持っている。特定の作家のみでなく、できるだけ多様な作家による作品を分析の対象とすることによって、興味深い研究テーマを追求するよう心がけている。たとえば、19世紀のMelville,20世紀のSteinbeck,Faulkner,現代のTim O’Brienに関心がある。また、既に古典としての評価が確立している文芸作品に加えて、近年新たに出版された若者向けの小説の分析も試みている。既発表の論文としては、”Transcending the Group,Discovering Both Self and Public Spirit: Paul Fleischman’s Whirligig and Jerry Spinelli’s Stargirl” (ALAN Review,2006)や”Ishmael as Cross-cultural Educator: A Reading of Moby Dick (『英米文化』37号)などがある。
南 富鎭 教授
博士(学術)
日韓比較文化論
日韓比較文学論演習I.II
日本と韓国・朝鮮の文学・文化的な状況を総合関連の中で考察しています。現在、授業と研究は次の3つの柱で進めています。(1)近代文学者の朝鮮体験と朝鮮近代文学者の日本体験 (2)近代における日本人像と朝鮮人像の形成(3)在日朝鮮人文学と日本語文学。著書には『日本文学の〈朝鮮〉体験』(2001年)、『近代日本の朝鮮人像の形成』(2002年)があります。
花方寿行 教授
スペイン・ラテンアメリカ文化研究
比較文化史演習II
スペイン・ラテンアメリカの文学・文化研究が専門。特に重点を置いているのは、十九世紀、スペインから独立して国の体制を確立する過程にあったラテンアメリカでの、ナショナル・アイデンティティーと文学・文化の関係。さらにそれと重なる形で、異民族間恋愛の表象とその政治的意味や、スペイン支配時代の植民地体制と独立後の近代化(の困難)、あるいは近現代における幻想文学と現実を幻想的なものとして描き出そうとするラテンアメリカのいわゆる魔術的リアリズムを扱っている。さらにはスペイン語圏に限定されず、映画と文学の関係なども研究対象にしている。
堀 博文 教授
博士(文学)
北米インディアン諸語研究
言語類型論演習I.II
北米先住民諸語の1つである、ハイダ語(カナダのブリティッシュ・コロンビア州北西部で話される系統不明の言語)の文法記述を行っている。更に、北アメリカ北西海岸地域あるいは環北太平洋地域という枠組の中で、それらの地域に分布する諸言語とハイダ語を対比させ、ハイダ語の特質やそれらの言語との言語類型論上の関連性などについて研究している。
森本隆子 准教授
日本近代文化テクスト研究
ジェンダーの日本近代文学演習I.II
専攻は日本近現代文学、主な研究主題は夏目漱石を中心とした明治の文学・文化です。自然の発見、身体の発見、女性の発見一これら〈近代〉が遭遇した諸課題が漱石という豊かな反響板の出現をまって、いかに深化、変奏されながら解決への糸口を見出してゆくかを追っています。目下、最大の関心事は漱石のセクシュアリティ。欲望装置としての漱石テクストの解明に腐心しています。守備範囲としては、他に村上春樹とポスト春樹世代の江國・詠美及び文学理論、ジェンダー論など。
安永 愛 教授
フランス近現代の芸術と文化
20世紀フランス文学演習I.II
主として19世紀から20世紀にかけてのフランス文学に興味を持っており、広く文学の持つ芸術批評、社会批評の働きに関心がある。ここ数年は、フランス第三共和政期の詩人・思想家で多大な足跡を残したポール・ヴァレリーの芸術観を研究の中心に据えてきた。授業では、近・現代のフランス語テクストに丹念に向かい合い、言葉の背後に広がる文化的・歴史的な様相に目を開いていけるよう心がけていきたい。
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