静岡大学    ドイツ言語文化研究室

MS
はるなのボン便り 2015

裏門春菜さん(人文社会科学部言語文化学科)からのドイツ便りです。Danke, Haruna!

ボン便り10月
ボン便り6月
3月の予感


ボン便り10月

3回目のボン便りになりました。今回は夏休みから10月までのことを書いていきたいと思います。前回と同様に長くなってしまいましたが,最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

長かった夏休み
ボン大学の夏休みは,思っているよりもとてもとても長い休みでした…。8月から10上旬まで夏休みで,その間友だちと遊んだり旅行に行ったりなど(もちろん勉強も),充実した日々を送ることが出来ました。ヨーロッパの夏は朝早く日が昇り,夜は10時過ぎまで明るいというような素敵な毎日で,こちらの人々がバカンス好きになるのも心の底から納得出来ました。

けれども一つだけ私にとって難点だったことに,陽射しの強さがありました。年間で晴れの日が少ないという県で育ち,小さい頃から室内スポーツに打ち込んできた日焼けゼロのインドア好きな私は,日中の強烈な陽射しの中で長時間過ごしたことがあまりなく,日光に弱いのか,こちらで昼間出かけると若干体調が悪くなってしまうというようなこともあり,夏を大満喫することはありませんでした…(笑) しかしバーベキューをやったり,友だちの実家に居候させてもらったりなど,とても楽しい毎日を過ごすことが出来ました。

“ライフスタイル” に目覚めた下半期

ドイツのスーパーマーケットでよく見かけるのがBIOマーク。これはEUが定めた基準を満たしている食品に与えられるもので,分かりやすく言えば「オーガニック食品」ということです。激安スーパーに比べるとやはり価格が高く,多くの学生は手に取らないものだと思いますが,ドイツではどこのスーパーにも置いてある一般的なものとなっています。

このBIOマークは,食品と言っても野菜からお酒,甘いお菓子など口に入るものはなんでもあり,また,洗剤や化粧品なんかもBIOのものが手に入ります。けれどもドイツに来て数ヶ月の間,私は「なんかやたら高いもの売ってるな〜」というぐらいにしか思っておらず,安いスーパーで一番安い物を買う毎日でした。

もちろん普段食べているものや身体に使うものに化学物質が含まれていることなんかは分かっていたつもりでしたが,結局安いし,周りの友だちみんな何も言わず使っているからと,あまり気にせず,お得に買えて嬉しいと思いながら買い物をしていました。また,国産と書かれていたらなんとなく身体に良さそうだなあとも思っていました。

こうした中で自分の意識が大きく変わっていったのは,化粧品で肌荒れをするようになったことがきっかけでした。長時間化粧品を顔に付けていると,肌の弱いところが赤くなったりして小さい炎症が起き始めました。これは今までにはなかったことだったのでインターネットで色々と調べてみると,その時使っていたコスメ類にどれだけ化学物質が使われているかが分かり,肌の炎症はその化学薬品に対して起こっているのではないかと考えるようになりました。そして関心のなかったBIO製品に目を向けることとなりました。

売り場に行ってみると,BIOコスメは今まで自分が使っていたものと比べ断然高くて驚くと同時に,あんなに安く作れる化粧品や食品に対して不信感や疑わしさを感じるようになりました。この値段の違いにどんなからくりがあるのだろうと考えると本当に怖くなりました。そうして “オーガニック” や “自然” に対して興味を惹かれ始め,日常生活の中で化学薬品の少ないものを選びたいという意識が強くなっていきました。

また同じ頃,食事の選択についても関心を持つきっかけが出来ました。

まず日本での食事を考えてみると,高校時代,家の夕食を担当していたけれど,おじいちゃんの好きなものを作ると大体が和食になっていたし,おばあちゃんやお母さんもいつもバランスの良いごはんを作ってくれていたので,いたって健康でした。

大学生で自炊になると,栄養の偏った一皿料理や手のかからないインスタント食品などを食べることも多くなりましたが,これといった体調の変化もなく,食事に対してあまり問題意識は持っていませんでした。食事を選択するなんて病気の為の食事制限やダイエットでするというぐらいの認識でした。

しかしヨーロッパに来てみると,ピザやハンバーガー,ケバブなどファストフードのお店が多くある中で,街中の至る所にベジタリアン*1やビーガン*2のお店やメニューがあり,また,ベジタリアンの友だちも少なからずいたことで,たくさんの人が,食べたい物のほかに食べるべき物を選択しているという状況を間近に見ることが出来ました。

*1  ベジタリアン:肉や魚を避け植物性の食品を食べる人
*2  ビーガン:肉や魚だけでなく卵や乳製品も食べない人

少し失礼な話になるのですが,私はベジタリアンやビーガンの人たちに対して,お肉や魚を食べられないことや,食べたい時に食べたいものを食べられないなんて,すごくかわいそうだなと思っていたし,美味しいお魚を食べたことがないのかなとも思っていました。しかし肉と魚を食べないベジタリアンの女の子の話を聞き見方が変わっていきました。

話によると,その子がベジタリアンになったのはここ数年で,理由の一つとして,「お肉もお魚ももちろん美味しいし,好きだけど,油が多いし,野菜のほうがより健康的だから」とのことでした。偏見を持っていた私には中々の衝撃で,それまで何でも食べてきて,肉も魚も好きで美味しいと思っているところは私と何ら代わりはないのに,あえて食べないようにしているのだということを知りました。

このことで,「自分の健康を考えて,食べるものを制限したり選択する」という方法の奥の深さを感じ,私も食についてあれこれ調べ始めました。調べてみると,ベジタリアンやビーガンの人たちは健康や宗教だけでなく,彼らそれぞれが独自の理由からこれを行っていて,中には畜産現場の悲惨な状況への懸念で肉を食べない人もいると知りました。正直私はそれでも知らんぷりしてお肉を食べてしまうけれど,ベジタリアンという方法で真剣に問題と向き合おうとしている人がいるのだと知って,自分ももっと考えなければいけない問題がたくさんあると感じました。

今は栄養と小麦粉に注目していて,栄養価の高いスーパーフードとして人気のあるチアの実を食べてみたり,小麦粉のグルテンという成分を取らないグルテンフリーを試したりしています。色々とやってみたことで分かったのは,日本に比べて,健康志向の人への食品売り場が格段に広いということと,その種類や食べ方にたくさんの提案がなされているということです。チアの実でもメーカーが様々あるし,色々なフレーバーも出されています。また,パスタにしても,精製された小麦粉ではなくて,栄養価の高い全粒粉から作られたパスタがあったりなど,本当に色々なものが売られていて,日々の食事に少しでも身体に良い物を取り入れたいという気持ちが伝わってきます。

たしかにドイツで食べる食事は,もちろん美味しいものもあるけれど,一つ一つが日本の何倍も脂っこくて塩気が強い上,味は単調だし,旨味も少ないと感じます。こうした背景があって,健康志向の高い人が多いのではないかとも思います。それと同時に,いかに日本食の能力が高いかをはっきりと感じさせられます。

このように,私の “ライフスタイル” は,少しずつではあるけれど変化が起き始めています。何かを盲目的に信服したり,変に偏ったりするのは絶対にいやだけど,上手くバランスを取りながら,質の良いものや,身体や環境に良いアイディアを日々の生活に少し取り入れていけたらと思っています。
(あくまでも上記は個人的な意見です)

終わりに
今回はちょっぴりかっこいいことを書いてみましたが,私はハンバーガーもこってりラーメンも大好きなのであしからずご了承ください…。駄文ですが読んでくださった皆さまと編集してくださった大薗先生に感謝します,ありがとうございました。(U. Haruna)
(Oktober 2015)


ボン便り6月

2回目のボン便りです。前回からもう2ヶ月ほど経ってしまいました。今回は4月から6月までの私のボン生活を紹介したいと思います。大変長くなってしまったのですが,最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

本格的に授業が始まった4月
3月から1ヶ月間続いたオリエンテーションが終わり,本格的に2015年のSommer Semesterが始まりました。皆さんご存知のとおり私たち静岡大学はボン大学のインターナショナルオフィスが提供している4月からのインテンシブコースには参加できません。周りの留学生はオリエンテーションが終わり次第,そのままのメンバーでインテンシブの授業が始まるのですが私はやっと仲良くなってきた友だちとはお別れし,ボン市内の語学学校に通うことに決めました。

ボンには語学学校が4,5ヶ所あり,語学学校を探す際には半期前からボンに留学されておられる先輩3人に色々とアドバイスを貰い探すことが出来ました。(先輩方ありがとうございます!)しかし語学学校を決めるポイントとしては,日本人に頼らず過ごしてみようと思い自分が知っている人がいない学校を探して通うことにしました。

生活
ドイツでの生活にも慣れて安定した日を送ることができています。毎日自炊をすることも楽しみの1つで,日本食が大好きな私なのですが,ドイツでの食材を使っていかに美味しいごはんを作るかに毎回ワクワクしながら料理を作っています。また,仲良しのドイツ人の友だちも出来て,よく遊びに誘ってくれるので毎日のように誰かしらと遊んでいます。デュッセルドルフに行ってみんなでラーメンを食べたり,友だちの家でBBQをしたり,この前はお好み焼きを作って食べました。

こっちに来て思うことは,ドイツ人は誰とでも分け隔てなく仲良くしてくれるということです。例えば日本人は誰かと遊ぶとなった時には決まったメンバーで事前に誰を呼ぶか何をするかなどを決めてから集まって遊ぶのが定番だと思うのですが,こっちでBBQだったり飲み会をするときには,直前まで誰が来るかあまり分からないことが多いです。

参加する人がその友だちや彼女や彼氏を連れてきたりするので当初の人数よりも多くなることもよくあります。だから知っている顔の中にこの人誰だろうというような人たちがいることも珍しくありません。日本語学科のドイツ人と日本人の集まりに,日本にも日本語にも全然詳しくないドイツ人が来ることもよくあるし,大学も違うということもあります。でもみんなその中で各自ちゃんと楽しんで帰ります。反対に私が,旅行でボンに遊びに来ていて次の日帰ってしまうというような誰とも関わりのない日本人の友だちを連れてきてもみんな普通に受け入れてくれます。

もちろん日本でもこのようなことはあると思うのですが,遊ぶときに日本人じゃない人を誘うというのはあまり日常的なことではないと思いますし,その時はなにか “国際交流だ” というような変な特別感と自慢のような空気が漂うこともあるし,日本人は自分たちのコミュニティー以外の人に来られることに少なからず抵抗感を持っていると思います。だから誰でも分け隔てなく接してくれて変に “輪” にこだわらないところがドイツの人たちはとても素敵だし,日本人よりも一期一会を実践しているのではと感じています。

終わりに
もう早いもので留学が始まってから3ヶ月が経ちました。次のゼメスターに入れば静大の新たな留学生がこちらに来るということなので楽しみにしています。駄文ではありましたが最後まで読んでくださってありがとうございました。また,編集してくださった大薗先生にも感謝を申し上げます。(U. Haruna)

(Juni 2015)


3月の予感

はじめてのドイツ便りです。これから更新していくので時々目を通していただければ嬉しいです。第1回は日本出発から3月17日までの出来事を綴ります。これからドイツに旅行・留学される方がいましたら参考にしてみてください!

日本出発から到着
羽田空港からルフトハンザ航空でフランクフルト空港まで行きました。多分11時間ぐらいだったと思います。機内では映画を4本見て号泣し,優しい日本人夫婦と隣の席になり楽しい時間を過ごしました(^^) PM7:00ぐらいにフランクフルトに到着し,空港から出ているシャトルバスに乗って事前に予約していた近くのホテルに泊まりました。

次の朝はシャトルバスに乗ってまた空港に戻り,フランクフルト空港駅からICEでボンまで向かいました。ちなみにICEのチケットは事前にBUDDYの人に教えてもらって買っておきました。2時間ほど乗ってボンに到着し,BUDDYとチューターさん,そして半年前から留学されている先輩2人が駅まで迎えにきてくださっていたので着いたときは少し感動しました(^^)

着いた後は,BUDDYとチューターさんと一緒にいろいろな手続きをして寮に無事到着しました。寮では同じ日本人の留学生が3人いました(のちに4人でこれから始まる新生活を共に助け合っていくことになります笑)

オリエンテーション開始から現在(3月17日)まで
3月5日から本格的にオリエンテーションの授業が始まりました。平日は9:00から12:30まで10個のグループに分かれて授業をして,火曜日と木曜日には14:00から15:30まで歌か発音のどちらかのクラスを受けます(私はグループ4で発音の授業を選択しました)。

授業は1クラス15人前後で会話が中心です。グループ5までは日本人が多く,グループ6以上にいる人はERASMUS(ヨーロッパ圏の留学生)の人が多いと感じました。授業はわからないところもたくさんありますが,毎回毎回理解できることが多くなっていってすごく楽しいし,グループ作業も多いので,いろんな国の子と交流しながら勉強できてとても良いです。

週に一度ほど留学生みんなでバスに乗って少し遠いところまで観光に行っています。これまでMarksburg(古城見学)とTrier(ドイツで一番古い街)に行きました。Trierで行ったすごくきれいな教会と,Trierで有名らしい地下にあるレストランの2つがとても印象に残っています。観光気分全開で楽しみました。

ドイツ生活
幸運なことに,これから一年間を過ごすことになる寮はとても綺麗な部屋で,部屋の設備も良く,立地の面でも良い所に住むことが出来ました。部屋にはシャワー・トイレ・キッチン・クローゼット・ベッドが備え付けてあってとても暮らしやすいですが,キッチンやトイレ,シャワールームは共同という寮になった子も多いです。

私はキッチンなどが共同の寮のほうが自分にあっているなと感じましたが,日本人には全て備え付けられている部屋のほうが人気らしいです。私は,事前に提出した申請用紙には共同の寮のほうに丸を付けて提出していたのですが,なぜかこの寮になりました。みんなの話を聞く限り寮の決定はほぼ運だと思います。(笑)

寮の部屋はとても広くて,目測ですが全部で10畳ぐらいある気がします。今まですごく狭い所で暮らしていたのでこの広さを持て余しています…。

生活用品は歩いて10分以内にあるALDIか,通学途中にあるLIDLやREWEなどで買っています。安いスーパーではクレジットカードが使えないことがよくあるし,ドイツは意外とクレジットカードが使えないところが多いので,留学の初めは現金を多めに持っていったほうがいいかもしれません。

通学手段はバスで,大学まで10分程度です。寮自体は閑静な住宅街にあって落ち着いた雰囲気がとても気に入っています。寮での生活では先月ボンから日本へ帰国した先輩が残してくれた料理道具や食料品などをもらい,特別何かを買わなくても済んだのでとても助かりました。自分で買ったのはバスマットと部屋の芳香剤ぐらいでした。

住民票や銀行口座を作ったりするのはチューターの子が手伝ってくれて,また私のSTUDY BUDDYの子もとても親切で色々と助けてくれます。ドイツ人は思った以上に親切な人ばかりで,もしかしたら日本人よりも本当の意味で優しいのかもと思ったりします。お店に入るときにもバスに乗るときにもレジで会計するときにもいろいろな場面で挨拶を多く交わしますが,すごく素敵な文化だと感じています。

豆知識
ここからは私の偏見と独断による使えるか分からない豆知識を紹介します。
  • 正式な学生証がもらえるまではボン市内なら公共交通機関は無料,貰ったあとはボン大学があるノルトライン=ヴェストファーレン州の中で無料。
  • わからないことがあったらとりあえず真面目そうな優しそうな人に聞く。友だちは尋ねたらお金を請求されていました。
  • 飛行機や列車のチケットは事前に買っておいたほうがスムーズに移動できる。
  • リサイクルマークが付いているものはデポジットでお金が帰ってくるので容易に捨てない。
  • ドライヤーやヘアアイロンは海外対応のものでないと使えない。
  • ミネラルウォーターを買わなくても水道水で生きられる。(個人差あり)
  • パスタソースがあんまり美味しくない。(個人差あり)
  • Supersoftと書いてあるティッシュペーパーがとても硬い。(個人差なし)
  • 炭酸水がただの水ですという顔をして大量に店頭に並んでいるので,炭酸抜きであるOhne KohlensäureかNaturellが書かれているかちゃんと見る。
  • 日本で使われている携帯はSIMカードにロックがかかっているものがほとんどなので,ドイツでSIMカードを交換してプリペイド携帯にすることが出来ない。携帯会社によってロックを外せるものもあるので調べてみると良い。ちなみに日本のiPhoneはロックは外せません。(怒)
終わりに
まだ到着して2週間程度ですが楽しい留学になりそうな予感がしています。そしてもっと勉強に頑張っていきたいです。駄文ではありましたが読んでくださった方ありがとうございました。そして編集してくださった大薗先生,ありがとうございました。(U. Haruna)
(März 2015)