静岡大学    ドイツ言語文化研究室

たいちのボン便り 2015/2016

仁科太一さん(人文社会科学部言語文化学科)からのドイツ便りです。Danke, Taichi!

 学食
 ボンの春
 オスター・フェスト(復活祭)
 カーニバル(謝肉祭)
 冬のドイツ
Weihnachtsmarkt(クリスマス市)
ボンでの勉強
ボン大学のオリエンテーションコース
ベルリンに行ってきました!


学食

5月が過ぎ,6月になりだいぶ暖かくなりました。日本だと夏は半袖でも汗がとまらなくて蒸し暑いかもしれませんがドイツはぜんぜん暑くないです。いや確かに暑い日もありますが湿度が低いからか快適です。日本みたいに暑い日が始終続くのではなく,日によっては半袖がちょうど良かったり,薄い上着が必要だったりします。夜は冷えてきて冬と変わらず毛布で寝ています。日の長さは果てしなく長くてとても快適です。辛くて憂鬱な冬を乗り越えた甲斐がありました。

今回はボン大学の学食を紹介したいと思います。ドイツ料理というと肉やジャガイモのイメージがあり,たくましそうなイメージはあるものの,おいしいイメージはないかもしれません。友人の一人はドイツ人はイタリアンを食べるといって笑っていました。ピザやパスタのメニューはよく見かけます。それからドイツにはトルコ系の移民が多いということもあり,ケバブ屋さんなんかもあちこちにあります。

さて学食ですが,野菜が多くて健康的です。確かに肉やジャガイモを使った料理もありますが,それ以上にベジタリアン向けのメニューが充実していて,これが本当においしい。ベジタリアンというとサラダばかり食べているものとばかり思っていたのですが,ドイツにきてからそのイメージが変わりました。サラダから煮野菜,ラザニアと種類が豊富です。

カウンターで注文してメインやおかずを組み合わせるものもあれば,お皿に自分で好きなだけよそって重さで計算するものもあります。僕はだいたいメインの料理におかずを二品つけています。メインが大体1.5ユーロでおかずが一皿0.6ユーロ,合計3ユーロに届くか届かないかぐらいになります。静大よりやや安いくらいです。野菜が多いのでとても健康的です。

学食のある建物は大学のメインの建物から歩いて10分くらいのところに二つあります。一つは学生課のある建物,もう一つは数軒隣りのややおしゃれな建物です。学生課のある建物には3階ごとに別々の学食があります。最上階は完全にベジタリアン向けです。もう一軒の建物は少々値段が高くなりますが,おいしくて寛げます。

ボン大学は日本みたいに大学が敷地で区切られているのではなくて,大学の建物が町中に点在しているといった感じです。最初にいろいろと手続きをする国際交流課は20分ほど歩いた別のところにあります。日本的なまとまった大学を想定していると少々戸惑うかもしれません。
学生のなかには学食を毛嫌いする人もいます。その理由は見慣れない料理の見てくれだったり,妙にしょっぱい味付けだったりします。確かに学食のメニューには外れもあるかもしれません。けれど一度の経験だけで判断しないでください。メニューは日々変わります。今日はだめでも明日はすばらしいメニューが待っているかもしれません。
(Juni 2016)


ボンの春

長い冬があけてドイツにも春がやってきました。今年はドイツにいるので桜を楽しめないかと思っていたのですが,ボンにもたくさん春の花があり日本にいるのと同じくらい春を楽しみました。

寮の前や大学周辺にも咲いています。ボンでは特にAltstadtの区域できれいな桜並木が見れるようです。そこでは毎年Kirschblütenfest(桜まつり)が開かれているそうです。今年は4月23日にありました。

3月の最後の日曜日からサマータイムが導入されました。一時間早くなるのは深夜2時です。サマータイムが導入されるときは2~3時が抜け落ち,通常時間に戻るときは2時を二回繰り返すそうです。サマータイムが導入される時期は春休みで生活リズムが崩れていたころなので全く実感がありませんでした。

緯度が高いと夏の日照時間が長くなるらしく(地球儀が斜めになっているのを思い出してください),さらにサマータイムが加わって20時を過ぎてもまだ明るい,21時ころ日が落ちていきます。真夏には22時過ぎまで明るいんだとか。ドイツで夏の夜を楽しむのは大変そうです。

4月の後半にはJazzfest Bonnがあります。ドイツで有名なジャズシンガーやプレイヤーが集り各地でコンサートが行われます。

有名なジャズのナンバー「Fly me to the Moon」を「Schieß mich doch zum Mond」としてドイツ語で歌っていたポップジャズシンガーのRoger Ciceroもこのジャズフェスに参加する予定だったのですが,3月末に脳卒中で亡くなってしまいました。ビッグバンドの伴奏と軽快なドイツ語の歌詞がポップで魅力的なのでYouTubeなどでぜひ聴いてみてください。
(April 2016)


オスター・フェスト(復活祭)

2月の後半からスーパーの棚には卵やウサギの形をしたチョコレートが見られます。英語圏ではイースターとも呼ばれる復活祭は,キリスト復活を祝うものですが,カーニバルと同じく様々な文化が混ざっていて,一口には説明できないようです。

町にはウサギや卵のモチーフが飾られています。

家庭内では,子どもが親の隠したイースター・エッグを探します。そのためにスーパーなどで卵型のチョコがたくさん売られています。

写真はスーパーで買ったもの。商品によっては卵ごとにさまざまな味のチョコが入っているものや,パッケージが普通の生卵のパックのものがあります。遊び心があってかわいらしいです。

3月ドレスデンに旅行したときに,民芸美術館のなかで復活祭の卵の展示がありました。昔のものもあれば,展示室のなかの出店で今まさに作られているものもありました。どうやらそれは買えるらしいです。体験コーナーがあり,親子で卵に装飾している姿も見られました。

ドイツなど一部の地域ではイースター・エッグを木にくくりつけるそうです。なんだが妙な見た目です。
(März 2016)

 
カーニバル(謝肉祭)

2月のはじめにカーニバルがありました。カーニバルとは,もともと復活祭の前の46日間の断食期間が来る前に思いっきりお肉を楽しもうというお祭りらしいです。特にここら辺(ボン,ケルン,デュッセルドルフ)でカーニバルの期間の間は老若男女関わらずみんな仮装して町を歩いています。仮装といってもピンからキリまであって,ドンキで買えそうなキャラクターのつなぎから,伝統的な軍服とさまざまです。パレードでは様々な像を乗せた車両が通過していきます。パレードには政治を風刺するという役割もあります。政治家を風刺したパレードもあります。

カーニバルの間は町中がお祭りみたいで,僕のアパートの周りにも仮装した学生が路上で固まって喋っています。電車の中はパーティー会場みたいです。仮装した人々がお酒を飲みながらガンガンと音楽をかけています。酔っぱらった女の人が車掌さんに食ってかかっています。カーニバルの間の車掌さんは大変そうです。
カーニバルの期間には「女性のカーニバル」という日があり,その日,女性は男性のネクタイを切っていいことになっています。残念ながら僕はネクタイを持っていなかったので体験できませんでした。これから留学される男性はぜひネクタイをしてカーニバルに臨んでください。
(Februar 2016)


冬のドイツ

留学する前ドイツがどのくらい寒いのか不安でしたが,実際にドイツで過ごしてみるとそれほど寒くはありません。ドイツは確かに寒いのですが,その気候ゆえに寒さ対策が発達しています。建物の中ならばドイツの方が日本よりも断然快適です。ドイツの建物は壁が厚く,Heizung(暖房)が効率的です。

写真は僕の部屋の暖房です。中にお湯が通っている仕組みなので,触ってもやけどしません。下の方にあるつまみを回すと温度を調節できます。乾かしたいものを暖房の上に置くと簡単に乾きます。

ボンはドイツの中でもけっこう暖かい地域のようです。さらに今年は異常な気候で雪がほとんど降らずかなり暖かいです。風がない分静岡よりも暖かいかもしれません。

写真はボンで最も雪が降ったときのもの。かわいらしいメッセージに癒されます。



ふたたびベルリンを旅行しました。今まで体験したことのない寒さで,上着のフードをかぶっても耳が痛くなります。長い時間歩くと靴が冷たくなり,足がしもやけになります。雪景色が素敵でした。

雪をかぶったホロコースト記念碑(Denkmal für die ermordeten Juden)。

ハンブルクにも行きました。ベルリンより北に位置する分,凍てつくような寒さを覚悟していたのですが,温暖な空気は海からやってくるようで,思ったよりも快適でした。

写真はカンプナーゲル劇場。元クレーン工場で,若者向けの自由な雰囲気です。
写真は雪ばかりですが,ボンではほとんど降りませんでした。雪の代わりに雨が降ることが多いです。温暖な日なら上着なしでも散歩に出かけることができます。よほど寒い国に旅行しない限り,厚めの上着があれば冬は越せます。たまに半袖の男性が歩いています。
(Januar 2016)


Weihnachtsmarkt(クリスマス市)

クリスマスが終わりました。

ドイツでは11月の終わりごろ(クリスマスの4週間前)から町中の広場や路にはかわいらしいお店が立ち並びます。日本でいう祭りの出店のような感じですが,木造でがっしりとしています。クリスマスの期間とそうでないときとでは,町の雰囲気が大きく変わり,クリスマス市が終わった今,こんなに路が広かったのかと驚いています。いつもは噴水があるところもアスファルトで埋めてしまうほど気合が入っています。

各町ごとにクリスマス市があります。だいたいお店の形や売られているものは似たか寄ったかです。写真はライプチヒ。サンタさんが「モミの木」を歌っています。

クリスマス市の魅力にはおいしい食べ物とグリューワインがあります。グリューワインは温かいワインでお店ごとにデザインの異なるカップに注がれます。グリューワインとは別にメート(はちみつワイン)があります。神の飲み物と呼ばれていたんだとか。どちらも飲むと身体がポカポカになります。

ソーセージはもちろん,燻製の鮭やベーコン,ジャガイモ,キノコ,様々な種類の料理があります。日曜日も開いているのはうれしいところ。個人的にはお肉と酢漬けキャベツがおいしかったです。ただし7ユーロ。

静大に留学していたジェニーたちがみんなを誘ってくれました。ありがとう!!

最後にひとつ,ドイツでは24・25日は家族と過ごす日であり,日本の正月並みにお店が閉まっているので気を付けてください。
(Dezember 2015)


ボンでの勉強

10月後半から授業が始まりました。ボン大学への留学プログラムはいくつかありますが,静大生(を含むいくつかの大学)は語学コースに参加することができません。その分,午前の授業に参加したり,タンデムを午前に設定したりしないと午前中だらだらと過ごしてしまいます。ありがたいことに図書館は08:00~24:00まで開いています。

僕の一週間の日程を紹介します。

Montag Dienstag Mittwoch Donnerstag Freitag Samstag Sonntag
8:00 Aktuelle Themen
in der japanischen
Wirtschaft
9:00
10:00 No-Theater Literatur Live
11:00
12:00 Tandem Tandem Japanisch-
Lektüre
Tandem
13:00
14:00 Tandem Tandem
15:00
16:00 Deutsch als
Fremdsprache
Deutsch als
Fremdsprache
17:00
18:00              

時間はたくさんあるので上手く予定を立てればちゃんと勉強できると思います。予定を立てないと割と怠けがちになります…。授業にはVorleseung(講義),Seminar(ゼミ)とÜbung(演習)があります。ゼミや演習はかなり大変ですが,週に1回くらいなら挑戦してみてはいかがでしょうか。

ほかにもQuasselabendというイベントが2週間に一度あります。ボンのKneipe(飲み屋)で日本人とドイツ人が交流しています。タンデムパートナーを見つけるのにお勧めです。

映画や演劇を観に行くのを個人的にお勧めします。2時間ほどドイツ語と向き合わざるを得ない環境ですし,何より面白いです。特に演劇だと雑誌やパンフレットが置いてあるので読みの勉強にもなります。ボン大からライン川を越えた向こうにBrotfabrikという文化施設があり,そこでは毎日,映画や演劇,ワークショップなどが開かれています。学生なら映画は大体5ユーロ,演劇は8ユーロです。
(November 2015)


ボン大学のオリエンテーションコース

ボン大学のオリエンテーションコースについてサクッと紹介します。

ほぼ一か月続き,毎日午前中に授業が3時間あります。ひとクラス10数人ほどです。クラスは全部で8クラス,レベルごとにクラス分けされます。授業は基本会話です。文章を読解する場合も,グループ内で話し合いながら文章を読み進めます。僕のクラスは3分の1ほどが日本人でしたが,もちろんそれ以外の留学生とはドイツ語(もしくは英語)しか通じないので,慣れないうちは結構しんどかったです。午前の授業以外にも任意で参加できるAGとよばれる授業があります。複数ある選択肢の中から最高ふたつ選べます(14:00~15:30,16:00~17:00)。

僕はコーラスの授業とことば遊びの授業を受けました。コーラスではドイツの合唱用の曲から最近のPOPまで幅広く歌います。コーラスは楽しいのでお勧めです。ただソプラノ,アルト,テノール,バスに分かれて歌う曲もあり難しいです。もうひとつのことば遊びの授業は,午前の授業と似ていて文章を読んだり,書いたりします。先生がなかなかユニークなオバアチャンでずんずん授業が進んでいく感じでした。

授業以外にも毎週バディイベントがあります。みんな食事したり,飲んだり,どこかに出かけたりします。留学生には一人ずつ「バディ」と呼ばれるドイツ人がつきます。日常生活の質問を訊いたり,バディイベントの際にはペアでワークショップをしたりします。ちなみに静岡大学のように部局間の交換留学の場合,バディのほかにチューターが二人つきます。

9月にボンでイベントがありました。テーマパークみたいでした。日本と違って,ノリのいい曲が始終かかっています。アトラクションのレベルが強いので苦手な人は乗らないでください。思い出すだけで…オロロ

トリーアに行きました。紀元前にローマ皇帝アウグストゥスが建設した(らしい)ドイツ最古の都市で,世界遺産がこの場所にいくつか集まっているそうです。

ベートーベンホールに行きました。聴いたのはどうやら学生オケらしいですが,かなり聴きごたえがあります。クラシックだけでなく,モンゴル音楽とや,プロのピアニストとコラボしていました。

オリエンテーションコースはかなり充実しています。みんなで旅行にいったり,パーティをしたりと楽しいのですが,プログラムが多くて疲れます。気付けばあっという間,終わったころにはドイツだいぶ馴染んでいるはず!?
(Oktober 2015)


ベルリンに行ってきました!

仁科太一です。9月からボン大学に留学することになりました。ボンに行く前にベルリンに行ったのでその様子をお伝えします。

ボンでの入寮手続きをするのは9月7日,次の日からさっそく授業開始です(早い!) 僕は9月3日に日本を発ち,9月4日にベルリンのテーゲル空港に到着しました。飛行機と宿は2か月くらい前に予約しました。泊まった場所はWombat'sというユースホステル,Volksbühneという劇場の近くにあります。2日間泊まって50ユーロでした。安い! それともドイツだと普通なのか…?

友人からユダヤ博物館は床が斜めになっていると聞き,さっそく行ってみました。確かに床が斜めになっていますが,入ってすぐの場所だけです。

ユダヤ博物館といっても,ホロコーストのことだけではありません。ユダヤ人の文化,教育,その他もろもろが展示されています。博物館というとガラスケースとキャプションがひたすら並んでいるイメージがありますが,ここはそうではありません。絵や音声を駆使して,大人から子供まで楽しめる展示になっています。写真はたくさんの顔型の金属板を使った作品,顔の上を歩くと痛々しい金属音が鳴り響きます。

ぶらぶら歩いていたらブランデンブルク門につきました。門の前では高跳びの中継があり,人がたくさん! Currywurstのお店があったので早速いただきました。

夜はBerliner Ensembleという劇場でブレヒトの「肝っ玉おっ母」を見ました。劇場前には人がたくさんいました。

劇場内はこんな感じ。すごく豪華! 両脇の高い席でピアノやバイオリンを使い,生演奏します。

今回の劇のパンフレットがあったので購入しました。3ユーロ。「肝っ玉おっ母」のテクストと,セリフのどこを削ったか判るというもの。なかなかすごい。

ドイツは本当に劇場がたくさんあります。小さいものから大きいものまで。ベルリンだけだと思っていたらそんなことはありません。ボンにも無数の劇場がありました。次はボンでの留学生活をお伝えします。
(September 2015)