社会学科


豊かな学際色
国立大学には、社会学部はもちろん、社会学科を名乗る学科はわずかです。静岡大学の社会学科はその1つです。本学科は講座構成からみて現代社会を理論的実証的に、また、国際的・歴史的に広く分析する体制を整えており、学際性を特長としています。各専門領域では、原書講読による理論的考察から実験・面接調査・参与観察、さらには史料講読や発掘などによる精密な実証に至るまで、ユニークな方法を駆使して、学際色豊かな研究教育を進めています。
少数精鋭主義
社会学科は、人間学、社会学、文化人類学、歴史学の4大講座のなかに人間学、社会学、社会心理学、文化人類学、日本史学、東洋史学、西洋史学、考古学の8コースを擁し、28人の教官が1学年75人の学生に対して少数精鋭教育を行っています。ユニークな視点から自由に発想し、的確な知識と判断にもとづいて世界にネットワークを延ばしてゆく、そういう学生を世に送り出そうというのが私たちの願いです。
原理的かつ実証的な教育と研究
社会学科は、現代社会が抱える諸問題はなぜ起こるのか、人間の社会や文化はどのような形態や構造をもち、どのように変化・発展してきたのか、世界各地にどんなに多様な文化が存在し、それは私たちにとってどのような意味をもつのか、これらの問いを原理的かつ実証的に解明することを目的としています。
教官の研究テーマ及び主な担当科目
◆人間学大講座◆

荒川 紘 教授
(科学思想)
科学の起源にもさかのぼり、今日の科学技術社会の危機を考えている。最近の関心は宇宙論史と伝統技術の問題。

山下秀智 教授
(宗教思想)
キェルケゴールと親鸞の思想を中心にした宗教的実存の展開。近年、唯識思想や西田哲学にも関心をもつ。

松田(山崎)純 教授
(社会哲学)
社会の歴史的な変動と思想とのダイナミックな関わりを考察し、現代の最先端技術がもたらす倫理問題を検討。

浜渦辰二 教授
(現代思想)
現代思想の源流である現象学と人間学を中心に、インターネットの問題から心の病の問題までを考察している。

上利博規 助教授
(芸術思想)
現代思想(ベンヤミン、アドルノ、デリダなど)を手がかりに、芸術など現代文化の変容とその可能性を探る。

田中伸司 助教授
(社会倫理学)
プラトンを中心とした対話構造の研究を基盤に、生命倫理やフェミニズムにおける世界像の描きを考察している。

◆社会学大講座◆

矢吹和美 教授
(臨床心理学)
心理療法におけるイメージやファンタジーの意味や役割について、治療との関連から探究している。

片桐雅隆 教授
(現代社会論)
シンボルやコミュニケーションをめぐる社会学理論や学説史の研究、現代社会における自己や組織をめぐる研究。

栗岡幹英 教授
(理論社会学)
近代社会理論の展開および医療の社会学、とりわけ薬害事件における社会的相互作用の諸相と逸脱者の意識。

諸井克英 教授
(社会心理学)
さまざまな対人行動の基底にある心理学的メカニズムを、実験や調査によって、実証的に検討しています。

磯田雄二郎 助教授
(臨床精神療法学)
精神療法の基本的な構造の研究。個人療法における精神分析学の研究及びスーパーヴィジョン。集団精神療法におけるサイコドラマの実践と教育システムの研究。

田中真理 助教授
(臨床集団心理学)
自閉症・知的障害などの発達障害、不登校などの心理的不適応をかかえる子どもの心理臨床的研究。

南山浩二 助教授
(社会学各論)
精神障害者家族のストレスの解明、わが国における精神障害者の社会的位置と家族責任の変遷に関する考察。

佐々木裕子 助教授
(臨床心理学)
母子関係や対人関係の問題をロールシャッハ法やハンドテストといった投映法検査から理解し、臨床アセスメントを深めることを試みている。

荻野達史 助教授
(社会学各論)
社会運動の展開過程を、争点をめぐる言説編成、あるいは当事者間の社会的ネットワークの側面から考察。

◆文化人類学大講座◆

染谷臣道 教授
(文化人類学各論)
インドネシアの文明構造、伝統思想を生かしたインドネシアの人造り、日本各地の長寿促進文化。

前川啓治 助教授
(発展途上社会論)
発展途上社会の変化を、歴史空間における世界システムの拡大に対する対応という視点から捉える。

河合香吏 助教授
(人間環境論)
東アフリカの牧畜諸社会における自然と文化の共生(環境や生業活動、医療制度や身体認識などを中心に)。

楊 海英 助教授
(文化人類学調査法)
北・中央アジアにおけるモンゴル系諸民族の祭祀、遊牧制度、国家による定住政策についての歴史民族学的研究。

◆歴史学大講座◆

松木栄三 教授
(西洋社会史)
ピョートル時代以前(12~17世紀)の中世ロシア社会の経済、政治、文化を対象とした総合的・複合的な研究。

今井 駿 教授
(中国社会史)
中華民国期(1912-1949)における政治や社会の動向(日中戦争前後における抗日民族統一戦線運動など)。

本多隆成 教授
(日本近世社会史)
三河・遠江・駿河を中心とした近世東海地域史研究と駿府政権期を中心とした初期徳川政権(徳川家康)の研究。

湯之上隆 教授
(日本中世文化史)
日本中世の宗教や文化と国家・社会との関係、古代・中世の東海地域における陸上・水上交通、古文書学。

重近啓樹 教授
(中国文明史)
中国で初めて統一帝国が成立した秦漢時代を中心に、社会や国家の歴史的特質や発展のあり方を検討しています。

岩井 淳 助教授
(ヨーロッパ近代史)
ピューリタン革命の全体像を、千年王国論などの宗教思想や国際関係史の視点から総合的に考察しています。

滝沢 誠 助教授
(原始農耕文化論)
古墳副葬品の分析や地域における古墳の存在形態の検討を通じてみた古墳時代政治・社会組織の研究。

澤田典子 助教授
(ヨーロッパ古代史)
前4世紀のギリシア世界とマケドニアの政治外交史、およびフィリポス2世を中心としたマケドニア王国史。

篠原和大 助教授
(先史文化論)
弥生文化の研究。弥生土器など物質文化の規格性の度合いからみた社会集団の比較研究。