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学生の声 Students' Voices

「忘れられないベトナムでの日々」

2010年9月から11ヶ月間、私はベトナムの中部にあるフエという町で、NGOの一員として活動をしてきました。主な仕事は日本語教師で、約75人の生徒に会話や漢字の授業を行いました。その他にも、日本料理店の運営、地域の家庭調査、日本からのツアーへの同行等、様々な体験をさせて頂きました。

このような活動に参加したきっかけは、二度のベトナム訪問で、ストリート・チルドレンの子どもたちのために懸命に活動する、とあるNGOの方々と出会ったことでした。彼らは強い信念をもち、顔と顔が見える温かい支援を行っていました。それに呼応するように子どもたちもまた、笑顔で元気一杯に過ごしていました。彼らと過ごす時間はとてものんびりとした居心地の良い一時で、いつの間にか彼らの生き方に惹きつけられていました。

こういった出会いから、スタッフさんや子どもたちの想いをもっと知ってみたい、彼らのもとで学ばせてもらいたいと思うようになりました。元々私自身も中学生の頃から、東南アジアの人々の生き方を直に見たい、いつか困っている人の力になりたいと思い続けていました。そこで、彼らの仕事の一つである日本語教師を通して、少しでも役に立てたらと考え、ベトナム行きを決意しました。

実際にベトナムに住んでみると、衝撃的な事件が次から次へと多発し、日本との異世界さに困惑する毎日でした。生きること、ごく普通の生活を送ることさえ、簡単ではありませんでした。仕事面でも上手くいかなくて悩んだり、辛くて1ヶ月間毎日のように泣き続けたりしたときもありました。それでも逃げたくなくて、生徒一人ひとりと正面から向き合い、皆で授業を築くんだという気持ちで日々がむしゃらに頑張っていました。

この1年を振り返ってみると、楽しかったことよりも大変だったことの方が多かったかもしれません。でも、今でもベトナムが大好きだし、機会があればまた訪れたいと思っています。それはやはり、多くの方々との良き出会いがあったからだと思います。スタッフさんや子どもたちをはじめ、最後には生徒の皆、町の人々とも笑い合えるようになっていました。いつの間にか自分を受け入れてくれる人が一人、また一人と増えていったことが何よりも嬉しく、心強かったです。

私の活動は微力でしたが、彼らと出会って、あきらめずに継続することの大切さ、言葉なくしても分かり合える人の温かさ、生きる力の力強さなど、たくさんのことを学ばせていただきました。ベトナムでの体験や人々との縁は私の一生の宝です。22~23歳をベトナムで過ごすことができて本当に良かったと思える、貴重で幸せな1年でした。

(土井 沙織・2007年入学)