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学生の声 Students' Voices

「進路選択に役立った文人コースの経験」

高校3年生の頃、「学費が安くて家から通えるから」という単純な理由で大学を決めた私でしたが、このたび地元の市役所から内定を頂き、無事に大学卒業後の進路が決まりました。進路を決めるにあたり、私にとっては文人コース(文化人類学コース)で学んだ経験がとても役立ちました。具体的には、大きく2つのことが挙げられます。様々な人との対話があったこと、そして、物事を様々な角度から見つめられるようになったことです。

まず、私は、文人コースで学ぶなかで──とりわけ3年次のフィールドワーク実習を通して──人の話に真剣に向かい合うことの大切さに気づきました。私たちの学年の実習地は、静岡市の西隣、茶と大井川鐵道で名高い榛原郡川根本町でした。私は公共交通に興味があったので、役場の職員の方々から町を歩いていたおばあちゃんまで、様々な人からお話をうかがいました。また、学生発表会に向けた準備では、パワーポイントのスライド制作を担当し、他のメンバーや先生方の意見を積極的に取り入れました。人の話に真剣に向かい合うというのは、ごく当たり前のことですが、その大切さを再認識することができました。そしてこの実習で私は、公務員なら地域に貢献できるのではと考えはじめました。

2つめに、物事を様々な角度で見つめることは、文化人類学の大原則です。文化人類学という学問の特徴のひとつとして、「世界の様々な文化や民族に対する『グローバル』な視野を得たうえで、小さな農村や少数民族をめぐる生きた現実を捉える『ローカル』な視野も持ち合わせる」ということがよく挙げられます。進路選択の場面でも、多様な価値観やものの見方があることをふまえて自分の将来を考えることは重要だと思います。多種多様な職業の選択肢がある今日、私は、21年間過ごしてきた地元藤枝市への一番の恩返しができる道を探していました。そして様々な業種・職種の職業について学ぶなかで、民間企業ではなく、地元の市役所で働くことを通して地域に貢献したいという結論に至りました。

文化人類学コースでは、以上に述べた2つ以外にもたくさんのことを学ぶことができました。その経験には、時として多くの困難が伴ったことも事実です。それでも私がここまでやってこられたのは、文化人類学コース特有のアットホームな雰囲気があったからだと思います。もし少しでも文化人類学やフィールドワークに興味があれば、ぜひ、人文C棟3階にある文化人類学実習室を気軽に訪ねてみてください。あるときは白熱したディスカッションや研究発表、また、あるときは楽しい昼食会やコンパが行われているかもしれません。文人コースの先生方も学生のみんなも、きっと皆さんを温かく迎えてくれることと思います。

(堀江 光彦・2008年入学)