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学生の声 Students' Voices

「かけがえのない多くの出会いがあります」

私は大学入学前から心理学に関心があり、静岡大学に入学した後も、最初は心理学コースに進むつもりでした。そんな私が文化人類学コースに進んだきっかけは、1年生の時に履修したフィールドワーク基礎演習の授業でした。この授業では、文化人類学で特に重視されるフィールドワークの技法を体験的に学ぶことができました。教室や実験室だけで学ぶ学問とは異なり、現地に直接おもむいて、目の前に広がるリアリティを調査・研究する楽しさを肌で感じることができました。

文化人類学のエスノグラフィー(民族誌)には、教科書で学ぶような歴史事実や年表、統計データなどからは見えてこない現地の人々の生き生きとした姿や人々が共有する文化・価値観が躍動的に描かれています。これが本当に面白いんです! ある地域の、一見すれば取るに足らないような一人の人生、あるいはその人のちょっとした一言が文化人類学では貴重な「資料」となり、スポットライトを浴びて記録に刻まれていくのです……もちろん、そうしたフィールドワークの土台には、入念な文献調査や資料研究があることも忘れてはなりません。

フィールドワークによる研究は、実験室での研究とは異なり、現地における偶然の出会いや予想もしなかった出来事によって思わぬ方向へと転がっていきます。その分、当初思い描いていたようなテーマとかけ離れてしまい、苦労することも多いかもしれません。でも、これがまさにフィールドワークの醍醐味なのです。

私は2011年6月に静岡市の井川地域で1週間のフィールドワークを行ないました。井川で待っていたのは、毎日毎日絶えることのない地元の方々との温かい出会いの数々でした。井川の皆さんの優しさとご協力があって、無事に論文を書き上げることができました。

私が文化人類学を学んで得られたこと、それはかけがえのない人々との多くの出会いであり、予測不能な調査の中でもくじけることなく最後には結論を導き出していく臨機応変さと忍耐力であり、そして何よりも、純粋に学問していく「喜び」だと心の底から感じています。

鈴木 誉子・2009年入学)