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地域史研究のすすめ
本多隆成 教授
(日本近世史)
 歴史学の分野の一つに、地域史研究があります。私の場合は、戦国期から近世にかけての東海地域史研究ということで、三河・遠江・駿河の3ヵ国を主たる対象としています。
 この時代は、今川氏・武田氏、そして徳川氏へと、政治的にみて大きな変動期であり、社会や経済の面でも新たな展開がみられました。先行研究を批判的に検討し、新たな歴史像を描く作業は、まことにやりがいがあります。
 歴史の研究では、実証が大事で、そのためには史料調査が欠かせません。各地の寺社や旧家を訪ね、古文書の調査を行います。はからずもいい史料にめぐり会えた時などは、思わず頬がゆるみます。
 実証のために史料を重視することは、歴史研究一般についていえることです。歴史時代にはいると文献が中心になりますが、考古学では、発掘された諸資料が重要です。歴史文化コースでは、そのような基本を大事にした研究と教育を行っています。



渡邉水李さん
(西洋史4年)
カナダで知った「歴史」の楽しさ
 高校までの暗記中心で受身の歴史の勉強に対して、大学で「歴史学」を学ぶということは、先行研究や史料に基づいて自発的に、ある時代、ある地域を特定のテーマにアプローチしていくということです。
 私は昨年、自分の研究対象となるカナダへ一年間留学する機会を得ました。アルバータ大学での留学生活を通して、様々な民族・文化・歴史に触れる喜びを実感しました。カナダの大学の歴史の講義の中で、また、普段の生活の中で、世界中から集まった学生と歴史観や世界観について様々な意見を交わしました。その過程で各人がそれぞれ自分なりの歴史観を持っていることを知り、ますます歴史のおもしろさ、深さというものを感じました。私の体験は、私自身がカナダ史を勉強する上で、貴重な出発点となったような気がします。
  自分で新たなテーマを発見し、それに興味を持ち、オリジナルな方法で事実を明らかにしていくということが、歴史学の醍醐味だと思います。

教員の主な専門分野及び研究テーマ
本多隆成 教授 (日本近世社会史)
三河・遠江・駿河を中心とした近世東海地域紙研究と徳川氏(徳川家康)の研究。
湯之上隆 教授 (日本中世文化史)
日本中世の宗教や文化と国家・地域社会との関係、古代・中世の東海地域における陸上・水上交通、古文書学。
重近啓樹 教授 (中国文明史)
中国で初めて統一帝国が成立した秦漢時代を中心に、社会や国家の歴史的特質や文化のあり方を検討している。
今井 駿 教授 (中国現代史)
中華民国期(1912-1949)における政治や社会の動向(日中戦争前後における抗日民族統一戦線運動など)。
岩井 淳 教授 (ヨーロッパ近代史)
ピューリタン革命の全体像を、千年王国論などの宗教思想や国際関係史の視点から総合的に考察している。
滝沢 誠 助教授 (日本考古学)
古墳副葬品の分析や地域における古墳の存在形態の検討を通じて、古墳時代の政治・社会を研究している。
澤田典子 助教授 (西洋古代史)
前4世紀のギリシア世界とマケドニアの政治外交史、およびフィリポス2世・アレクサンドロスを中心としたマケドニア王国史。
篠原和大 助教授 (先史文化論)
弥生文化の研究。弥生土器など物質文化からみた社会集団の比較研究。地域社会における農耕の成立、展開の研究。

歴史文化コース
「古文書実習」の授業風景(本多隆成教授)

現代と過去との対話
 歴史学は、現代の日本や世界の諸問題を、過去との対話を通じて見つめなおし、また過去から現代のあり方を問うものです。現代では世界の一体化が益々進んでおり、幅広い視野と各分野に関する専門知識の習得が求められています。歴史文化コースでは2年次まで歴史上の諸問題について幅広く学び、3・4年次以降は教育分野として、日本歴史文化、世界比較文明史、世界現代史、考古学を置き、専門と総合を合わせた教育が行われます。近年では従来からの政治史、社会経済史などと共に、環境、福祉、家族など多様なテーマが歴史学の対象として検討されています。



生の史料から歴史を読み解く
 「歴史を学ぶ」ということは、解釈された歴史を覚えることのみではなく、人類が文字や絵画、伝承、物質文化として遺した営みに直接触れ、体で感じ、考えることだと思います。したがって、歴史文化コースでは、授業を通して、生の資料から歴史を読み解く「実証」の基礎学力を養うことやフィールドワークを重視しています。  
 こうしたたくさんの実体験の中で自由に自分のテーマを見つけだし、学生生活の集大成として卒業論文を書き上げるというのが、歴史文化コースの学生生活です。あなたも、生の史料との直接の対話法を身につけ、歴史を体で感じてみませんか。

専門教育カリキュラム

4年次 卒業論文、卒業演習
2~4年次 日本中世社会史、アジア古代史、西洋社会史、考古学研究法、日本歴史文化演習、世界比較文明史演習、世界近現代史演習、考古学演習、古文書実習、考古学実習など
2年次 日本史概説、アジア史概説、西洋史概説、考古学概論、アジア史料基礎講読、西洋史料基礎講読など
1年次 歴史学概論、人間学概論、社会学概論、心理学概論、文化人類学概論、フィールドワーク基礎演習
(注意) ・社会学科の他コースの科目も選択科目として受講できます。
・人文学部の他学科の科目も自由科目として受講できます。
青字は社会学科の5コースに共通です。


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