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学生の声 Students' Voices

「グローカルな学びができる文化人類学」

 私は文化人類学分野に進むことを決める前に、社会学にするか文化人類学にするかとても迷った学生の一人でした。文化人類学は自分の五感を使ってフィールドワーク調査を行い、様々な人の生き方や考え方に触れ、その体験からボトムアップで理論を立ちあげてゆく学問です。このプロセスを通して文化人類学は人間の営みの多様性を理解しようとします。私は自分にとってこの学びのプロセスが最も重要であると思ったため、文化人類学を専攻することにしました。

 それに加えて静大の文化人類学分野はグローカルな学びができるという特徴を持っています。私が考える「グローカル」とは、地球規模で考え、地域で行動することです。地球規模で考えるためには、広い視野が必要です。文化人類学分野の先生方は、海外調査の経験を有し、中国、チベット、アフリカの研究をされてきました。先生方の授業では、オセアニア研究の入門書や洋書の講読をしたり、インド映画を視聴し、それらを題材にグループで文化人類学的観点からディスカッションしたりします。講読した本のなかでとても印象的だったのは『贈与論』です。贈与で交換されるモノの中にはそれを贈る人の「霊」が宿るため、私たちは日常生活で贈与を通して社会関係をつくり、その社会関係が物を人格化することもあります。例えば、お父さんからもらった腕時計を見るたびに、お父さんの顔を思い出すような現象が起こるのはそのせいです。

 これらの授業で受けた知識を実践的に応用するために、3年生のときに静岡県内でフィールドワーク実習を行いました。そこで実際に現地の人々の話を聞き、地域の実態を文化人類学的に考察しました。そして卒業論文では、自分の身の回りから自らテーマを決めて調査地や調査対象を探し、研究を行いました。私自身は、在日インドネシア人労働者のコミュニティに注目し、そこに集まる人々が「ダンドゥット」という音楽の演奏と消費を通して、いかにインドネシアという「故郷」をイメージするのかについて卒業論文にまとめました(冒頭写真)。

 このように文化人類学分野ではグローバルな視野を広げながら、ローカルで活動する機会を得ることができます。静大の文化人類学分野はグローカルな人材になるために必要な学びができる場であると言えます。

(アルヴィン パトリア ムドランタ プトラ・2019年10月入学)