静岡大学 人文社会科学部 社会学科 人間学コース 文化人類学分野のウェブサイトです
文化人類学@静岡大学Cultural Anthropology at Shizuoka University |
学生の声 Students' Voices
「答えのない学問を勉強する楽しさ」
文化人類学という言葉を聞いたとき、どのような学問を想像するでしょうか?文化を学ぶ学問?人類について考える学問?いろいろと想像できると思います。もし私が一言で表すのであれば、「自分の当たり前を捉えなおす、答えのない学問」です。卒業した私なりに、文化人類学コースの魅力をお伝えできればと思います。
静岡大学の文化人類学分コースは、2年次に基礎を学び、3年次前期に県内で1週間程度のフィールドワーク実習を行い、後期から4年次にかけて卒業論文の執筆をします。実習や卒業論文での自由度の高さは圧倒的であり、基礎学習の中で培った興味関心を好きなだけ追求することができます。
恥ずかしながら私は、静岡大学に入学するまで学びたいことがはっきりと定まっていなかったうえに、文化人類学の存在すら知りませんでした。ですが1年生の最初の文化人類学概論の時、「あたりまえを捉えなおす学問」という言葉に衝撃を受け、大学で学ぶのはこれしかないと決心しました。卒業した今、それは間違いではなかったのだと確信しています。
私は、文化人類学最大の魅力は人との対話なくして学びえないということだと思っています。文化人類学ではフィールドワークを通して、日常の中で当たり前のように過ぎていく営みに注目し、お話を聞かせていただき、自分なりの考えをもとに分析し理論を構築します。そのため、高校までの受け身の勉強とは異なり、自ら参入していく主体性が求められます。演習では自らの関心に貪欲になり、疑問や考えについて先生方や仲間たちととことん議論することができます。このように、文化人類学は教科書があれば一人で勉強できる学問ではなく、そこに誰かがいることによって得られる知見がなければ学ぶことができない、非常にユニークな学問なのです。
研究対象が人なので、予想通りに研究が進まないことも多いです。実際私は実習も卒業論文も予想とは正反対の結果が出てきて、どう進めたらいいか悩むこともありました。しかしこれは文化人類学が生きた学問であることの証明であり、こうした生きた学びこそ、大学に行ってまでする価値があるものなのではないでしょうか。
文化人類学コースに入れば、世の中にあるたくさんの物事に対し、様々な角度から理解しようとする力を身に着けることができます。1年もいれば、言葉一つについても切り取られる意味についてできるだけ考えようとするようになっていきます。これは人によっては考えても仕方のない、役に立たないことのように思えるかもしれません。確かに、文化人類学で扱うことには明確な答えはありません。しかし、この他者の立場や考え方を想像する力は実生活においても必ず役に立ちます。答えのない世の中を他者と生きていくためにも、文化人類学コースでその力を養ってみてはいかがでしょうか。
最後に、コースの話とは少し離れますが、私は3年次に留学にも行き、先生方に言葉で表しきれないほど支えていただきました。留学は文化人類学の学びを深めることができるだけでなく、大学生活に彩りと刺激を与えてくれるので、そういったことに関心がある方にもこのコースはピッタリだと思います。