「ことばの文化」の授業でも大きく扱っているラテンアメリカ。静岡から太平洋をまたいだ対岸のメキシコ合衆国には、比較文学文化のテーマが豊富にあります。『奥の細道』を翻訳したオクタビオ・パス、静大の図書館にも多くの文献が所蔵されているカルロス・フエンテスなどの作家、菊地凛子がアカデミー助演女優賞をとったことで知られる『バベル』(Babel, 2006)の監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、メキシコ・シティ出身で、『アモーレス・ペロス』(Amores Perros, 2000)で評価を高め、2014年に公開した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で、第72回ゴールデングローブ賞で最多7部門にノミネートされ、脚本賞、主演男優賞を受賞、第87回アカデミー賞でも最多9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞と4部門を受賞しています。同じくメキシコ・シティ出身のキュアロンはメキシコを舞台とした『天国の口、終りの楽園』(Y tu mamá también , 2001)の監督で 、かの『ハリー・ポッター』や『ゼログラビティ』を手掛けています。マリアッチ3部作の『デスペラード』(Desperado, 1995)は、日本のテレビでも何度も放送されているお馴染です。『パシフィック・リム』(Pacific Rim, 2013)や『パンズ・ラビリンス』『ブレイドII』のギジェルモ・デル・トロもメキシコ人です。ブニュエルはメキシコを舞台に何作も映画を撮っています。でもなぜか、ラテンアメリカを専門とする教員がいて資料面でも研究体制が整っているのにもかかわらず、これまでの比較文学文化の歴史の中で、中南米の文学文化を課題研究のテーマに選んだ学生は皆無です。一人揺れ動いた学生がいましたが、最終的に妖怪比較研究をテーマに選びました…

断片的な知識しかなく、心情的にも遠いメキシコ・シティですが、日本からアエロメヒコの直行便で簡単に行くことができます。物価も安いです。ただ治安は悪いです。最近日本でも麻薬組織テンプル騎士団のトップが逮捕されたことがニュースになりましたが、毎日、新聞を読んでいると日本とは桁違いの犯罪が起きています。思わず顔をひきつらせているとメキシコ人に「新聞を読まないで」と言われました。でもルールをしっかり守り、気を付けていれば安全に旅行できます。

まずはソカロほど人がいないチャプルテペック城に向かいます。皇帝マキシミリアン夫妻やディアス大統領が住んでいました。庶民の暮らしと隔絶された場所にあり、民衆が視野に入っていないことが実感されます。格差がある分、室内装飾は見事です。国立歴史博物館には、ポスト=コロニアルの代表的な文化遺産である、壁画運動の「ディアス独裁制から革命へ」といった作品をはじめ、シケイロスの壁画などが展示されています。

チャプルテペックに入るとリスが出迎えてくれます。

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チャプルテペックに隣接してあるのが国立人類学博物館です。これまでギリシア・ローマ文明が一番だと思っていましたが、メソアメリカ文明があまりに高度で認識を改めました。トルテカ、サポテコ、マヤ、オルメカといった各文明ごとに特徴があります。

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ソカロの周辺にはディエゴ・デ・リベラ壁画館や国立宮殿があります。メキシコ革命と連動して作成された壁画は人々の集まる場所に展示されています。

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ベジャス・アルテス宮殿では、ディエゴ・デ・リベラ、シケイロス、タマヨの壁画が広々としたギャラリーに展示されています。ここで上演される伝統舞踏のショーは見逃さないで欲しいです。

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メキシコシティが一望できるラテンアメリカタワーは『最も危険な愛し方 』(Sólo con tu pareja , 1991) の舞台となりました。

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ディエゴ・デ・リベラとフリーダ・カーロの結婚披露宴の会場となったカフェ・デ・タクバ。

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伊達政宗が派遣した支倉常長が滞在したタイルの家もこの界隈にあります。素敵な場所で食事ができます。この近くのメトロ駅フアレスの近くにはハイレベルな屋台が軒を連ねています。

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テンプロ・マヨール。アステカ帝国の中央神殿です。チャックモールなどの石像群が目を引きます。大事な遺跡なのにそれをぶち抜いて水道を通したのもすごいです。

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バスですぐのところにトラテロルコ遺跡があります。アステカ最後の皇帝クアウテモックがスペインとの最後の戦いを挑んだところです。トラテロルコ広場では市民や学生が虐殺されました。

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コヨアカンに行くとフリーダ・カーロの生家をディエゴ・デ・リベラが博物館として開放した私邸があります。その徒歩圏にはリベラ夫妻と親交のあったトロツキーがメキシコで受け入れられ、住んだ家があります。結局はスターリンが放った刺客に暗殺されました。

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2007年に世界文化遺産に登録されたメキシコ国立大学。中央図書館は世界最大規模の壁画で覆われ、アステカ文明、スペイン植民地時代の圧政などが描かれています。本館にはシケイロスの立体壁画「民衆から大学へ、大学から民衆へ」があります。

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メキシコを代表する建築家ルイス・バラガンの家は色使いが面白いです。

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メキシコシティは広く、海抜2300メートルで疲れやすくもなるので無理は禁物です。テオティワカンに行くと日差しが強く、かなり歩くので十分準備して下さい。

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メキシコの食の文化遺産も満喫して下さい。

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