時代と社会を読み解く能力を養う
私たちが生きているこの社会では、毎日いろいろな事件や出来事が起きています。殺人事件、大会社の倒産、介護保険の導入、公共事業の見直し、地球温暖化をめぐる国際交渉、民族紛争など、世界はめまぐるしく動いています。こうした国内・国外の動きの中で、私たちはどのような影響を受け、私たちの社会はどうなっていくのでしょうか。
法学科では、法律学と政治学の幅広い学習を通して、現代社会で生じるさまざまな事件や事象を読み解き、解決する力を養うことを、その教育の目標としています。平和の中で自由に幸福を追求するという、私たちひとりひとりが持っている権利を実現するために、何が障害となっているのか。こうした障害は法的に、政治的にどのように解決できるだろうか。4年間の学習を通じて、学生がこうした問いに答えを出すための知力を身につけることをめざしています。
模擬裁判

平成30年度で63回目を迎える模擬裁判実行委員会は歴史あるサークルです。活動目的は模擬裁判の公演で、大学祭では毎年公演を行います。また、公演がない時期は裁判劇で扱うテーマを皆で決めて、そのテーマに沿った勉強会を週に1回行っています。平成24年度は温情判決の是非をテーマとして活動しました。介護疲れから老母の同意のもとに息子が同意殺人を行うという行為につき、その評決に当たり、そこに温情的な考慮を入れるべきなのか、それは不公平なのではないかという議論を、裁判員・裁判官による評議の中で闘わせました。近年起きた同様の事件の裁判において、その事件の悲惨さ・親子の互いを思う気持ちから、法廷中の涙を誘ったと言われており、そこから「だからといって温情判決により軽い刑罰を科す事が正しいか?」という疑問が生まれ、疑問を追究していき、最終的に模擬裁判に仕上げました。模擬裁判実行委員会と聞いて、名前も長く難しそうで近寄りがたい雰囲気があるかもしれませんが、実際はそのようなことはありません。先輩後輩間の仲も良く、和気講々とした中で楽しく活動に励んでいます。法学科だけでなく他学部・他学科の方、裁判や法律に興味が少しでもある方、またそうでない方も歓迎いたしますので、ぜひ一度お越しください。部員一同お待ちしております。模擬裁判の様子については、“静岡大学模擬裁判website”をご覧ください。
静大法学科での学び
井上はるか さん
私は電車とバスを利用して家から通っています。通学時間はそれなりに長いものの勉強時間等に充てることにより下宿生と同様に充実した学生生活を送っています。
静大の法学科の特徴は、2つあります。1つ目は、1年次で憲法・刑法・民法の3つの専門必修科目を履修すれば2年次からは自分の興味のある専門科目だけを自由にとることができることです。私は行政法や刑法、国際法に興味があるためそれらを中心に履修しています。
2つ目は、2年次からゼミが始まることです。ほかの多くの大学ではゼミは3 年次から始まりますが、2年次から始まることで早いうちから自分の学習したい分野について先生や他の学生と議論や理解を深めることができます。また、ゼミでは年に1度法政論集に掲載する論文を共同で書き、学生発表会で研究内容を発表しています。法律科目の勉強や理解は一筋縄でいかないことが多くありますが、日々頑張っています。